2022年7月30日

2022年7月28日

Gossen Sixtus (bakelite) 露出計

Gossen Sixtusと革製ケース

このGossen Sixtusは1937年頃の製品で初期のセレン式露出計であり、黒のベークライトの外装が時代を感じさせ、
革製のケースも丁寧に作られ高級感がある。

私が写真を撮り始めた頃はもう露出計はカメラに内蔵されていたので、このような単体露出計を使うことはなかったわけで、
さらに今ではスマホアプリの露出計も利用できるということだ。


Gossen Sixtus

GOSSEN(ゴッセン)は、ドイツの露出計メーカーで。多くの露出計を販売してる。
カメラメーカーにも供給していて、Rollei35にもゴッセンの露出計が内蔵され、
ボディはRollei、レンズシャッターはCompur、レンズはCarl Zeiss、露出計はGossenという贅沢な構成のカメラで話題になった。
なので、私がゴッセンというメーカーを知ったのは、ローライ35を使った時だった。


セレン受光部

このSixtusは、上のガラスの部分がセレン受光部で4つのセルに分かれている。
セレンという素材は光が当たっていると発電し続けるため劣化が早く、この露出計も針は触れているが正しい値を示していない。
手前に見えているのがメーターと操作盤である。


メーターと操作ダイヤル

使い方は一般的な露出計と同じで簡単である。
左外側の数値がDIN感度その右側がSCH感度、外側のリングが下に見えているギアで回すことができるシャッター速度のダイヤルで、一番内側の数値が絞り値となっている。

例えば針が50のところに振れれば、使用しているフィルム感度Din18 (ASA50)にシャッター速度ダイヤルの50を合わせれば、
絞りはF16を示し、シャッター速度を1/250にした時は、このまま250を見れば絞りはF8を示していることがわかる。

明るいところではそのまま使い、暗いところでは赤いボタンを押し赤色のスケールの数字を読めば良い。

ZEISS IKONの露出計IKOPHOTもそうで、このような露出計は不動のジャンク品がほとんどだが、
デザインや質感、ビンテージ感など、カメラと写真文化の一角を支えた道具である。

2022年7月26日

DL103LCII カートリッジ(DENON)

DL103LCII + SME S2-Rヘッドシェル

  • 発電方式:ムービングコイル型
  • 出力電圧:0.25mV
  • 左右感度差:1dB以内(1kHz)
  • 左右分離度:25dB以上(1kHz)
  • 電気インピーダンス:13Ω
  • コンプライアンス:5×10-6cm/dyne
  • 針先:16.5ミクロン丸針
  • 針圧:2.5g±0.3g
  • 再生周波数範囲:20Hz~45000Hz
  • 自重:8.5g
  • 標準価格:21,000円
  • 針交換価格:12,600円
  • 1986年(昭和61年)2月

DL103LCIIは、ロングランモデルのMCカートリッジDL103にLC-OFC線を採用したモデルで、
日本コロムビア創立75周年の記念モデルDL-103LCが完売後、通常モデルとして販売された。


DL103LCIIケース(DENON MUSEUMより)

このようなケースに入っていたようだが、なぜか見つからない。
化粧ケースもないので処分したのか、どこかに潜り込んでるのか。


ダミーシェル

ただ、ダミーシェルだけは見つかった。
これにDL103LCIIが取り付けられてケースに収められているのだが、
このダミーシェルは、ヘッドシェルにDL103LCIIを取り付けるときのゲージとして利用することができ、
また針先の確認用ルーペも付いている。


DL103LCII + SMEシェル


DL-103には多くのシリーズモデルがあるが、今でも原器モデルDL-103が販売されているのには驚きである。

DENON MUSEUMより

2022年7月22日

記憶、記録用 Pinterest

My Pinterest

別に収集とかではなく、自分の記憶、記録用に以前から利用しているPinterestです

2022年7月19日

Canon IXY DIGITAL 10

Canon IXY DIGITAL 10

  • 撮像素子:1/2.5型CCD
  • 有効画素数:約710万画素
  • レンズ構成:5 群6 枚(非球面〔UA〕レンズ2 枚)
  • 焦点距離:35〜105mm (35mmフィルム換算)
  • F値F2.8(W)F4.9(T)
  • 測光方式:評価/中央部重点平均/スポット(中央固定)
  • 露出補正:±2段(1/3段ステップ)
  • シャッター速度:15~1/1500秒
  • ISO感度:オート、高感度オート、ISO80、100、200、400、800、1600
  • 光学ファインダー:実像式光学ズームファインダー
  • 液晶モニター:広視野角2.5型(約23.0万画素)、視野率100%
  • 大きさ:85.9 × 53.5 × 19.4mm
  • 質量:約125g
  • 発売日:2007年3月

「LUMIX DMC-F1」のあとで使っていたカメラが、この2007年発売の「 IXY DIGITAL 10」だったが、
この後、オリンパスのE-P1のデザインに刺激され、ミラーレスカメラで写真を撮りたくなり、
オリンパスのE-PL3を使うことになる。


IXY
キヤノンカメラミュージアムより

IXYの1号機は1996年に発売されたフィルムカメラだった。
APS(アドバンストフォトシステム)に対応したフィルムを使う90 × 60 × 27mmというコンパクトなサイズの機種で、
ファインダーは倍率0.31~0.62でオートフォーカスフレーム、近距離撮影範囲、視野枠、Cタイプマスク、Pタイプマスク、
AF合焦LEDなどが組み込まれた実像式ズームファインダーである。

APSフィルムのサイズは16.7 × 30.2mmで縦横比は9:16であるが、基本となるHサイズ(ハイビジョン / 9:16)の他に、
従来の35mmフィルムと同じ縦横比でハーフ版と同じ面積になるCサイズ(クラシック / 2:3)と、
Pサイズ(パノラマ / 1:3)の3種類で撮影できた。
外装には特殊ステンレス合金SUSが使用されていて高級感がある。

その後デジタル化されてIXYシリーズは続いていたが、2017年のIXY200で終焉となっている。


Canon IXY DIGITAL 10 & Canon L3

キヤノンのカメラを最初に使ったのはNew FTbで、その後F-1、VI Lを使い、デジタルではこの「 IXY DIGITAL 10」を、
そして最近手に入れたフィルム機のL3ということになる。

「IXY DIGITAL 10」は7.1メガピクセル(約700万画素)のCCDセンサーのカメラで、
直線をベースにした原点回帰ともいうべきスクエアフォルムの薄型ボディは、スタイリッシュなデザインで、
カードサイズということも特徴であった。


ブラックモデル

これはブラックモデルなのだが、ボディ全体がブラックではなく、レンズ鏡筒とリング部やサイド部がブラックということで、
ボディ前面や背面はシルバーである。
ブラックモデルはシルバーとブラックのアクセントカラーということだろう。

使ってみるとサイズが小さく薄いので持ち運びには都合が良いのだが、右手だけだとホールドしにくいのである。
これはローライ35を使っていたときにも感じたことで、カメラはある程度の大きさがある方が自分には良いように思う。


背面とファインダー

この頃のコンデジには飾り程度かもしれないが、光学ズームファインダーが付いている機種が多かった、
上部中央の丸いガラスが、ファインダーであるが、この大きさ、ガラス部分だけをみると、キヤノンL3とほぼ同じなのである。
もちろん倍率や光学系はL3より劣るので、見え方は井戸の底を覗いているようなのだが、
それでもモニターが見辛い時は役に立った。

もうコンデジの時代は終わって、スマホカメラに取って変わられたが、
金属外装と究極のフラットデザインのIXY DIGITAL 10は、今使ってみても魅力のあるカメラである。

2022年7月10日

Canon L3

Canon L3

  • 型式:35mmフォーカルプレーンシャッター式距離計連動カメラ
  • 画面サイズ:24×36mm
  • マウントねじ式マウント(L39)
  • シャッター:2軸式布幕横走行フォーカルプレーン
  •                       1/500、1/250、1/125、1/60、1/30秒、B(中軸指標付き 回転ダイアル式)
  •                       1/15、1/8、1/4、1/2、1秒、T(1軸ダイアル式)
  • セルフタイマー:なし
  • フラッシュシンクロ:なし(ターミナルソケット部に蓋付き)
  • ファインダー二重像合致式連動距離計、回転式3段階視野倍率可変ビューファインダー(50、35、RF)
  • アクセサリーシュー:パララックス補正ピン付き
  • フィルム装填裏蓋開閉スプール差し込み式
  • フィルム給送上部回転巻き上げレバーによる1作動式(小刻み巻き上げ可能)
  • フィルムカウンター手動セット逆算式 0~39目盛り
  • フィルム巻き戻し埋め込み型ポップアップ回転ノブ式
  • 標準レンズキヤノン50mm F2.8
  • 大きさと質量143 × 76 × 34mm、530g(ボディ)
  • ボディ単体価格:32,000円
  • 発売年:1957年 (昭和32年) 11月


シャッター周り

V型や、このL型はバルナック型のIV型からの過度機のモデルであり、シャッターダイヤルは2軸回転式のままだが、
レバー巻き上げ、シャッターボタンの位置、裏蓋開閉式と改善も見られる。

V型とL型の違いは、セルフタイマーが付いているのがV型、付いていないのがL型である。
3タイプあるL型の見分け方は、L1型が最高シャッター速度が1/1000で、L2型とL3型は1/500である。


フラッシュソケットのカバー

L2型とL3型の違いはフラッシュ直結ソケットが付いていればL2型、付いていなければL3型であり、
省略されたソケットには、同心円の飾りが刻まれたカバーが付けられていて手抜きを感じない。
おそらくボディ自体はL2型であり、フラッシュの配線などの工程を省いてソケット部にカバーを付け、
価格を抑えたのかもしれない。


視野倍率可変ビューファインダー(50mm、35mm、RF)

キヤノンのレンジファインダーカメラといえば、この倍率可変ビューファインダーだろう。
ファインダー右側のギアを回すと内部のプリズムブロックが回転して、50mm用、35mm用、拡大用(RF)に切り替えられる。
一眼式レンジファインダーなので、これにより距離計の精度を上げることができたが、
少しファインダーが暗くなるというマイナス面もあった。


飛び出た巻き戻しノブ

この時代のキヤノンのカメラは普及型や姉妹型と言っても、すごく丁寧な作りで精密感、剛性を感じる。
回転式可変ビューファインダーやポップアップ式巻き戻しノブというようなギミックが楽しく、
小刻み巻き上げできるレバーなど使い勝手は良い方だろう。


Canon L3

L3型はセルフタイマーもフラッシュソケットも省略した廉価仕様だが、ストリートフォトには逆にこれが良く、
余分なものを削ぎ落としたプロ用スナップシューターのようである。
シャッター速度も1/250で、絞りF8で使うことが多いのでこれで十分。
ボディデザインもグッドデザイン賞をとった、空母型と称されフラットな上部デザインのL1型と同じなのである。

2022年7月6日

SHOJI UEDA PHOTOGRAPHS

SHOJI UEDA PHOTOGRAPHS / 植田正治写真集

出版社: 宝島社
発行年: 1995年初版

アマチュア写真家、植田正治さんの写真集で初期作品から砂丘モードまで、代表的な作品が収録されています。
「Shoji Ueda photographs」には、この宝島版と植田正治写真美術館版があって紛らわしいですが、全く別物です。

表紙のモデルは娘さんで1949年の作品「カコ」、
これは原田知世さんの名盤「カコ」のCDジャケットに使われたことでも知られています。






砂丘と人々、散歩、漂う白い雲、輝く海、など、鋭いインスピレーションと、演出にも違和感を感じさせないスタイルで、
代表的なモチーフである砂丘をモノクロで捉えてた植田正治ワールドです。

2022年7月4日

光漏れライカ

Leica Ⅲc + Summar 5cm F2

以前所有していたLeica Ⅲcだが、シャッター幕の劣化からか光漏れがあった。
もし先幕が薄くなって光り漏れしているのなら、常にレンズキャップをしておいて撮る前に外すようにしたり、
撮る前にフィルムを巻き上げることである程度光漏れをコントロールできたかもしれない。

実際、連続して撮っている時は光漏れが目立たなくて、レンズキャップをしないで暫くしてから撮った時や、
逆光で撮った時は光漏れが目立つようだった。



露光ムラチェック定番の青空撮影だが、黄色っぽくなった光漏れがり、雲一つない青空だがこの通りだ。



こういう被写体だと同じ形でハッキリと出ている。



モノクロではあまり目立たないが、中央の枝葉に光漏れがある。

バルナック型ライカのように底蓋しか開けられないカメラはシャッター幕の状態が確認できないので、
撮影してみないとわからないのである。

こういう光漏れは、何だか古い写真のような感じにも見え、Luminar AIにも光漏れの効果があるので、
そのような使い方もできるかもしれないが、やっぱり気になってしまう。

2022年7月3日

植田正治写真展「べス単写真帖 白い風」


植田正治写真展「べス単写真帖 白い風」が、FUJIFILM SQUARE 写真歴史博物館で開催されています。
東京だけの開催のようですが、「FUJIFILM Imaging Plaza 大阪」でも開催できないものでしょうか。

ベス単フード外しで撮ったソフトフォーカス写真の作品集です。
フード外しと言っても今のレンズフードのような大きなものでなく、絞り羽根の外周に付いた絞り羽根の開放を制御する枠で、
これでレンズの球面収差を抑えていたようです。
これを取り去ると、さらに絞りが開いた状態になり球面収差が増えて、ソフトフォーカスな描写ができるということで、
流行になりました。


「フジフイルム スクエア」より

「フジフイルム スクエア」より

「日本を代表する写真家植田正治の、写真集『白い風』(1981年日本カメラ刊行)から、精選された40点を展示。
展示作品は、当時写真集を印刷するための入稿原稿として使用され、保管されてきた貴重なプリントで、
写真展として公開されるのは今回が初めてです。」「フジフイルム スクエア」より

このように入稿原稿ということを知ると、尚更観たくなります。