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2023年3月12日

ソフトフォーカスなレンズとフィルター

 KIYOHARA SOFT VK70R 70mmとソフトフォーカスフィルター

ソフトフォーカスレンズは球面収差をそのまま使う無調整式と、レンズの一部を移動させて、
球面収差の量を変化させる調整式、絞りの形状で球面収差を変化させる蓮根絞り式があるが、
KIYOHARA SOFT VK70Rは無調整式である。

それぞれの代表的なレンズは
  • CANON New FD85mm F2.8 ソフトフォーカス
    前後群レンズ系の間隔を変化させることで球面収差をアンダー側に発生させる調整式で、
    ヘリコイドリングの直進操作でノーマル状態から段階的にソフト量を変えることができる。
  • MINOLTA  VARISOFT ROKKOR 85mm F2.8
    ソフトフォーカス効果の調整リングに0~3までの目盛りがあり、
    ソフト効果なし、1、2、3と強くなっていく調整式である。
    調整式は、絞りと関係なしにソフトフォーカス効果を設定できるのが利点である。
  • SMC PENTAX SOFT 85mm F2.2
    KIYOHARA SOFT VK70Rと同じ1群2枚(メカニカス型)のレンズ構成で無調整式であり、
    絞りでソフト量をコントロールする。
  • FUJINON.SF 1:4 f=85mm
    和製イマゴンと言われるレンズで、大小の穴があいたレンコン状の板を絞りの後方に設置し、
    ソフト量を調整することができる蓮根絞り式である。

ソフトフィルターは左から
  • Kenko FOGGY  [B]
  • Carl Zeiss Softar II
  • Canon SOFTMAT No1
  • Canon SOFTMAT No2
  • Kenko Black Mist No.05
であるが、
それぞれ特徴があり描写も異なるが、キヤノンのSOFTMATが芯のある輪郭と柔らかいフレアで好みである。


左:Carl Zeiss Softar 右:Canon SOFTMAT

ソフトフィルターのガラス面の処理には違いがあって、右側のCanon SOFTMATは肉眼では表面が平らだが、
左のCarl Zeiss Softarは表面に丸い凹凸をつけて効果を出す方式である。

ソフトフォーカスレンズはポートレートに使われることが多いので、85mmという焦点距離が多いが、
フィルターだと色々な焦点距離のレンズに使えるので、スナップ撮影にも使えて便利である。

2021年8月14日

夏はソフトフォーカス

KIYOHARA SOFT VK70R 70mm F5 & フォトブック

以前に作ったフォトブック「白い写真帖」だが、「Kiyohara Soft VK70R」で撮った写真だけで構成してみた。
日差しの強い夏は、ソフトフォーカスレンズの効果がよく出るのでいい季節だが、撮る方は暑さで参ってしまう。


Fuji X-E4 + KIYOHARA SOFT VK70R 70mm F5

このレンズはニコンFマウントの一眼レフ用のソフトフォーカスレンズだが、鏡胴が細いので、
サイズ的にもX-E4とバランスがよく、ミラーレスカメラで使いやすいレンズである。

2020年7月29日

ベス単繋がり

Nikon F + VK70R

VK70Rはヴェスト ポケット コダックのレンズを流用した「ベス単フード外し」という方法の軟焦点描写を再現するため、
35ミリ一眼レフカメラ用レンズとして開発されたもので、
オリンパスの元技術者である桜井栄一氏の協力により、清原光学研究所が3年かけて設計して1986年に完成させた。
名称のVKはベス単と清原の頭文字だそうで、ベス単を基にしたので焦点距離は70mmと少し長めである。

「ベス単フード外し」とは、コダック社のベスト判カメラの単玉レンズの収差を小さくするためのフードを外して収差を大きくし、
ソフトレンズとして使うことで、このベス単フード外しのレンズをペンタックスマウントに改造して、
「ベス単写真帖 白い風」などの作品を撮ったのが植田正治氏である。


植田正治写真美術館からの大山の眺め

清原光学研究所が製作したレンズはVK70RとVK50Rだけだが、
植田正治写真美術館の「超大型カメラオブスキュラ用レンズ」も製作している。
カメラオブスキュラは奥行き10メートル、投影サイズは5×4メートルと巨大なもので、
そのレンズは8400mm、F32、最大径600mm、総重量625Kgという世界最大のカメラレンズである。
このカメラオブスキュラに入って、投影された「逆さ大山」が眺められるという。

ベス単とキヨハラ、キヨハラと桜井栄一、植田正治とキヨハラ、植田正治とベス単、
清原光学研究所と桜井栄一氏と植田正治氏がベス単で繋がったということである。

2019年11月5日

Nikon F + Kiyohara Soft

Nikon F + KIYOHARA SOFT VK70R

このVK70RはニコンFマウントの固定式であるが、他にキヤノンFD、コンタックスRTS、ミノルタMD、ペンタックスK、
オリンパスOM、M42、コニカ、ライカR、リコー、キヤノンEOS、ミノルタ/ソニーα、があったようだ。

ニコンFマウントといっても自動絞り機構は備わってないので、絞り込みでの撮影になるが、これは他のマウントでも同じだろう。
絞り開放でもF5なのでファインダーは暗くて、スプリットイメージの距離計は真っ黒になり使うことができず、
マット面でのピントが合わせになるが、ソフトレンズらしくもやっとしているのでピントのピークがわからないのである。

ミラーレスカメラのEVFでは絞りに関係なく明るく見えて、拡大もされるのでピントの山も判別しやすい。


Nikon photomic FTN+ KIYOHARA SOFT VK70R

フォトミックFTNファインダーを使った場合、VK70Rには絞り連動のカニ爪が付いていないので露出は実絞り測光となる。
実絞り測光に切り替えるには、ファインダーの絞り連動ピンをカチッという音がするまで押し込めばいい。

2018年10月27日

Nikon 接写リング K

Nikon 接写リング Kセット

Nikon 接写リング KセットはニコンF時代のマクロ撮影用中間リングである。
組み合わせ方で倍率を変更することができるが、これは単なる筒だけで自動絞りや開放F値のボディとの連動もできないので、
露出は絞込み測光になる。


5種類のリング

リングは金属製で
K1:5.8mm オス(Fマウント)メス(Fマウント)
K2:5.0mm オス(Fマウント)メス(52mm径)
K3:5.8mm オス(52mm径)メス(Fマウント)
K4:10mm オス(52mm径)メス(52mm径)
K5:20mm オス(52mm径)メス(52mm径)
の5個セットになっている。


KIYOHARA SOFT VK70R & K4,K5

マクロ撮影をするわけではないのに、なぜ接写リング Kセットかというと、
KIYOHARA SOFT VK70Rのレンズフードに流用するためである。
Fマウントのリングとは別に52mmのフィルターネジで結合するリングがあるので、
レンズのフィルター溝にねじ込んでフードとして使えるからだ。


KIYOHARA SOFT VK70R + K5

VK70Rはフィルター径が49mmなので49-52mmのステップアップリングを介して、
オス、メスとも52mmフィルターネジのK5リングを付けてみた。
光沢のあるブラック塗装のリングなのでVK70Rの鏡胴とマッチする。


KIYOHARA SOFT VK70R + K3, K2, K4

これはK3、K2、K4の組み合わせなので、K3についているFマウントのロック解除レバーが飛び出している。
この組み合わせで使っていると、K2、K4、K3の組み合わせにすれば接写リングとして本来の使い方もできるので便利だ。


Olympus PEN E-P5 + KIYOHARA SOFT VK70R + K3, K2, K4

E-P5で使ってみたが同じようなローレットのリングが並ぶ面白いレンズになった。
Kリングの組み合わせ方で長さを変えられるので、色々な焦点距離のレンズに使えそうである。

2018年7月10日

KIYOHARA SOFT VK70Rのフード

UN フード ラバーレンズフード 49mm ブラック UN-5149

KIYOHARA SOFT VK70Rは絞り羽根がむき出しなので、なんらかの保護をしたいが、
フィルターを付けると絞り操作ができなくなるので現実的でない。

とりあえずレンズフードでの保護になるが、望遠用の深い金属フードだと絞り操作がやりにくそうなので、
ラバーレンズフードを付けてみることにした。
この「UN ラバーレンズフード 49mm」は、焦点距離35mm以上のレンズ用なので遮光というよりもレンズの保護目的になる。


KIYOHARA SOFT VK70R + UNラバーレンズフード

フードを伸ばした状態でも絞り操作はできる。


VK70Rのレンズキャップ取り付け

このフードが便利なのは、フードリングの先端部にフィルターの取り付けネジがあり、
フードをカメラに取り付けたままで49mm径のフィルターやレンズキャップを付けられることだ。


フードを畳んだ状態

厚めのラバーなので畳んだ時に大きくなってしまうが、とりあえずある程度のレンズの保護ができる。

2018年6月18日

KIYOHARA SOFT VK70R

KIYOHARA SOFT VK70R

  • 型名:KIYOHARA SOFT VK70R
  • レンズ構成:1群2枚(メカニカス型)
  • 焦点距離:70mm
  • 画角:34.3゜
  • 最短撮影距離:0.6m
  • 絞り羽根枚数:12枚
  • 絞り:F4.7~F35
  • 絞り目盛:F5, 6, 7, 9, 11
  • フィルター径:49㎜
  • 全長:41mm
  • 最大径:58mm
  • 重量:約 125g
  • 発売:1986年

清原光学のKIYOHARA SOFT VK70R F5で、マウントはニコンFである。
ベス単フード外しと同様のソフトフォーカス効果を簡単に一眼レフで使用できるように開発されたレンズで、
清原光学研究所が製造し、コプティックが販売していた。

ベス単フード外しとは「ベストポケットコダック単玉レンズ付き」というカメラのレンズの周辺を覆っているフードを取り外して、
開放絞りで発生する球面収差を利用してソフト描写をする方法だ。

このベス単フード外しで思い浮かぶのが、ベス単写真帖 「白い風」の植田正治さんである。
以前、植田正治写真美術館を訪れたが、フォーカルプレーンシャッター幕のスリットのような建物の間から見る、
逆さ大山が印象的だった。
「私の写真作法」では「ソフトフォーカスは、目的を持った撮影に限定されることをユメユメお忘れなく」と語られている。


KOPTICのロゴ

鏡胴は金属製であるが、持ってみると軽いのはレンズが1群2枚と少ないからだろう。
半光沢の塗装でFujiのレンズとよく似ている。


レンズの前面

レンズ前面のロゴや絞り表示の文字は写真では白く見えるが、実際は僅かに黄色味を帯びていて落ち着いた感じがする。

VK70Rは絞りリングがエルマー50mm F3.5のようにレンズ前面にあるので使いにくいが、クラシック感があるデザインだ。
フィルターは49mm径が付けられるが、これだと絞りの操作ができなくなるので、
VK50Rでは普通の外周リングの絞り操作に改められている。
VK70Rは絞り羽根が前面レンズのさらに前にあり、剥き出しになっているのもすごいが、
これもVK50Rでは保護ガラスが付いているようだ。


フォーカスリング

フォーカスリングには距離目盛はないがマークが付いて、長い線は無限遠のようだがドットの意味はわからない。

  • 補足(VK70Rの説明書によるとドットは、「撮影者の目安となるよう打ってあり、
    風景撮影でF7の場合は3点目の位置が中心解像が最良となります」と記載されているようだ。
    また、絞りによる焦点移動も発生するようである。

開放絞りがF5なので一眼レフではファインダーが暗く、スプリット部が使えないのでマット面でのピント合わせになるが、
ピントの山が掴みにくく、ソフトフォーカス効果もわかりにくい。


Fuji X-E1 + KIYOHARA SOFT VK70R

ミラーレスのライブビューでは、ソフトフォーカス効果はわかりやすいようだ。
ピントの山は一眼レフよりわかりやすいが、MFアシストを使ってもピントを合わせにくい。


ソフト効果を見るためにFuji X-E1で使ってみた。

開放絞り
F5よりもさらに絞りリングを回す 


F5
強めのソフト効果のようだ 


F6
好みのソフト描写だ


F7
 ストリートフォトに良いかもしれない


F9
少し、しっかりとした描写になる 


F11
普通の描写だが、カリカリではなく柔らかい


Fuji X-E1のAPS-Cサイズのセンサーだが、
芯のあるソフト描写が美しく、ソフト効果の変化も大きいので色々なシーンで楽しめそうだ。
特に逆光気味の斜光で白のハイライトをポイントに使うといい効果が出るだろう。