ZEISS IKON IKOPHOT Black |
露出計という道具には不思議と惹きつけられる。
デザインの美しいものも多く、数字がずらりと並んでいる文字盤を見ると楽しくなるものだ。
単体露出計や連動露出計などがあったが、カメラに露出計が組み込まれると使用頻度は少なくなり、
デジタル時代の今では商業写真くらいでしか使われないだろう。
このIkophotは1951年〜1953年頃に作られたようだが、ライトバリューの数値がメーターの下にある比較的初期のタイプで、
よく見かけるクリーム色? ではなく黒色である。
Ikophot背面 |
裏側にはSch、DIN、ASA規格のフィルム感度対応表があり、下にはZeiss Ikon Stuttgart Germanyの刻印が入っている。
今はフィルム感度やデジタル感度はISO規格になっているが、以前はドイツ規格のDIN、アメリカ規格のASA、
DIN規格以前の規格であるSchなどがあった。
一般的にDIN21だとASA100に対応とされているが、ここではDIN21はASA80となっている。
入射光用アダプター |
入射光を測るアダプターも付いている。
カメラに組み込まれている露出計は反射式で、被写体から反射してくる光の量を計って露出値を決めるので、
被写体から離れて測ることができるが、入射光式は被写体に直接当たる光の量を計測して露出値を決めるので、
被写体のそばで露出を計ることになる。
入射光アダプター |
乳白色の拡散板アダプターを受光部にはめ込めば入射光式になる。
操作ダイヤル |
1957年頃に発売されたIkophot Rapidは、メーター指針に追針を合わせてシャッター速度と絞り値を読み取る方式だが、
これはライトバリューによりシャッター速度と絞り値を読み取る方式である。
使用フィルムがISO100の場合、内側の文字盤を回して白マークを感度100 (ASA)に合わせる。
被写体にセレン受光部を向け測光すると下部のメータの針が触れるので針の位置の数値(ライトバリュー)を読み取る。
仮に読み取った数値が10と11の間ならば外側の文字盤を回して赤マークに10と11の間を合わせる。
文字盤の上側でシャッター速度(内側)と、絞り値(外側)の組み合わせを読み取り、
カメラのシャッター速度とレンズの絞りをセットすればいい。
Ikophotケース |
ケースの文字は元々金色だったのだろうが、今は剥げて跡形もない。
そしてメーターの針も振れない不動品のIkophotなので飾り物である。
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