2019年2月21日

新世界物語

新世界物語のカバー

北井一夫さんの「新世界物語」は1981年に出版されている。
1979年の秋から二年半に渡って撮った新世界、じゃんじゃん横丁、てんのじ村、旭町、飛田、釜が崎などの人々の風俗を、
写真と住人の話で綴った写真集である。

北井一夫さんといえば「抵抗」「三里塚」「村へ」「フナバシストーリー」「いつか見た風景」などがよく知られているが、
この「新世界物語」はローカルな町だからか、あまり話題にならないようだ。


カバーを外すとモノクロ写真が

カバー表紙のカラーイラストは写真集としては不評だったようだ。
カバーを外すとカバーの裏と同じモノクロの写真が現れるが、この方が新世界のリアル感か増すように思える。

浪速クラブの緞帳が開く写真から物語が始まり、
「兄さん、新世界の写真撮りに来たんか。ここら物騒やから気いつけや。わしが案内したってもええで。」
と声をかけられる「パンサとケン師」、そして「飛田の楊貴妃」「てんのじ村の芸人」「隊長の串カツ屋」
「酒とタバコ」「五歳からの漫才師」と、6編の話が挟まれているが、どれもディープな町に相応しいディープな内容だ。
そして浪速クラブの緞帳が閉じる写真で物語が終わる。

今はドラッグストアになっている天王寺の「ミス タイペー」、今も残っている新世界の映画館、
パチンコ ASAHIになっている背の高い看板の建物、廃線になった南海天王寺支線の今池町駅など懐かしい風景もあって、
この町を知る人には楽しめる写真集である。

2019年2月18日

x347 * 青と赤




Canon F1
FD20mm F2.8 S.S.C.
Fuji Filter Blue-40
Canon O1 Filter
Reversal Film
EPSON GT-F740
1987年

2019年2月16日

角形シートフィルター

キャノンゼラチンフィルターホルダーと角形シートフィルター

キャノンのゼラチンフィルターホルダーとフジフィルムのか角形フィルターである。
フィルターホルダーはアダプターリンヅを介してレンズのフィルターネジにつけるようになっていて、
3連のフードも付いている。


トリアセテート素材

昔はゼラチンを固めたものを使っていたが、今はトリアセテートという素材で扱いやすくなっている。


キャノンゼラチンフィルターホルダー + 角形シートフィルター

キャノンゼラチンフィルターホルダーには樹脂製の角形の枠が付いているのだが、
なぜか取り外してしまっているので、フィルターが差し込みにくい。


Canon F1 + NIKKOR S.C Auto 50mm F1.4 + Canon Gelatin Filter Holder

1枚の角形シートフィルターで様々な口径のレンズに付けて便利だが、嵩張るのが難点で、スナップ撮影には使いにくい。
風景撮影やスタジオポートレイト向きだろうか。

2019年2月12日

Hansa Self Timer

Hansa Self Timer MOD.II

鏡面仕上げのクロームメッキが美しい「Hansa Self Timer MOD.II」である。

ハンザは近江屋写真用品株式会社の商標名で、1915年に創業され写真用品などを扱っていた。
このセルフタイマーは、いつ頃の製品かわからないが、以前の記事の「Canon SELF-TIMER 8」と同じ頃のものかもしれない。


ハンザキヤノン
キヤノンカメラミュージアムより

ハンザという商標名で思い出すのは、キヤノンの商品化第1号機の「ハンザキヤノン」だ。

精機光学研究所(現キヤノン)が日本光学工業株式会社の協力でレンズや距離計などを調達して、
1936年(昭和11年)に完成させた、ニッコール50mm F3.5付きのレンジファインダー カメラである。
そして販売ルートを持たない精機光学研究所が、近江屋写真用品株式会社を代理店としてハンザ名を付けて販売した。


Hansa Self Timer MOD.II & Canon SELF-TIMER 8

「Hansa Self Timer MOD.II」と「Canon SELF-TIMER 8」を並べるとハンザ キヤノン?

よく似た形だが、指標が赤いハンザの方が視認性が良さそうだ。
ゼンマイのジ〜ッという音が心地良いいが、音量の差はかなりあってキヤノンの音は大きくてハンザは静かだ。

もう、このようなセルフタイマー使うことはないが、懐かしい小道具である。


2019年2月6日

Leica X1のモノクロ

Leica X1 + Wetzlar Universal Finder VIOOH

久しぶりにライカX1で撮ってみると、ハイコントラスト モノクロの良さを改めて感じさせられる。

暗部の締まりと中間部の階調の豊かさはハイコントラスト モノクロならではであり、
レンズと画像処理エンジンの良さもあるのだろうが、露出さえ気をつければ日常の光景を見事に映像化してくれる。

下の3枚はトリミング、画像加工なしのJPEGである。
これほど解像感があるのにカサカサした感じがなく、しっとりとしているのがライカX1らしさだろうか。


Leica X1
ハイコントラスト モノクロ

Leica X1
ハイコントラスト モノクロ

Leica X1
ハイコントラスト モノクロ