2019年5月30日

60年と48年

Nikon F & Canon F1

ニコンFが発売60周年だそうだ。
1959年6月発売なので、あと二日である。
国産システム一眼レフカメラの完成形として、やはり歴史に残るカメラなのだろう。

キヤノンF1は1971年3月発売なので48年目であるが、この年にはニコンはF2を発売している。
開発サイクルが長かった時代とはいえ12年のギャップは大きくて、フィルムカメラ時代はニコンに追いつけなかった。


Nikon F & Canon F1

カメラメーカーとしてのキヤノン、レンズメーカーのニコン、
ライカをコピーしたキヤノン、コンタックスをコピーしたニコン、
両者は比較されることが多かった。

フィルムカメラでは遅れをとったキヤノンだが、デジタルカメラではリードしている。
キヤノンF1は2年後に50周年だが、イベントは行われるのだろうか。

2019年5月27日

DENON DL102

 DENON DL102

DENON DL-102は1961年に放送局用として開発され、
NHKや民放各局で使われていたモノラル レコード用ムービング・コイル形のカートリッジで、
モノレコードはもちろんステレオレコードのモノ再生にも使うことができる。


DENON DL102 説明書

  • 型名:DL-102
  • 形式:ムービングコイル形
  • 出力電圧:-48±2dB (1kHz 50mm/S 水平方向)
  • インピーダンス:240 Ω± 20%
  • 負荷抵抗:1kΩ以上
  • 周波数特性:50 ~ 10,000Hz ± 2dB
  • インピーダンス:負荷抵抗 周波数特性
  • 針先形状:0.017mm(0.7ミル)R球
  • 針 圧:3±1g
  • 自 重:13g
  • 外形寸法:28.5 x 18 x 9.5mm


DL102と金属製の保護カバー

DL102には金属製のカバーが付いていて、本体外装も金属製でズシリとした重量感がある。
樹脂外装のカートリッジが多いなか、このひやりとした金属の感触は格別だ。


DL102とリード線

DL102はモノラルカートリッジなので出力が2ピンであるが、
いまはステレオが基本なのでトーンアームやカートリッジはLR用の4ピンである。
なので2ピンのモノラルの出力を4ピンのステレオに振り分ける必要がある。

そのためリード線の接続が面倒なのだが、これは赤のピン先の金具に白のピン先を差し込み接合、
緑のピン先の金具に青のピン先の金具を差し込み接合して、信号をLRに分割している。
しかし、今はこのような方法よりも「BELLDREAM モノラル用 Y字型リード線」が販売されているので、
これを使う方が安全だろう。


Monica Lewis:Easy Come, Easy Go & DL102

一般的にモノラルレコードにはモノラル針、ステレオレコードにはステレオ用の針を使うが、
それはモノラルとステレオで記録方式が違うからだ。

ステレオ・レコードの記録方式は。レコード盤面に対し音の溝を左右斜め45°づつに分けてカッティングし、
ステレオの左右チャンネルを記録しているので左右の音溝の形状が異なり、レコードの針は上下左右に振動する。

一方、モノラル録音では左右とも同じ信号が掘られるので、横方向の振動でだけで記録できる。
そのためモノラル・レコードの再生専用カートリッジは、縦方向の振動感度が鈍く作られているので、
ステレオレコードに使用するとレコードの溝を損なうこともある。

このDL102は従来のモノラル カートリッジとは異なり、
上下方向にも適度に動くのでステレオレコードのモノラル再生も可能なのだ。

このDL102が今も現役で販売されているということは、それだけの信頼と再生能力が認められているからだろう。

2019年5月15日

新寳島:手塚治虫

完全復刻版 新寶島

これは小学館クリエィティブが2009年3月に発売した「完全復刻版 新寶島 」である。

「新寶島」は1947年1月25日に手塚治虫が発表した漫画デビュー作だが、
原作、構成は酒井七馬で作画は手塚治虫という共作という形をとっている。

この「新寶島」を含む10冊ほどを子供の頃にもらったが、今記憶にあるのは
  • 新寶島(1947/01/30 育英出版)
  • ロストワールド(1948/12/20 不二書房)
  • メトロポリス(1949/09/15 育英出版)
  • ファウスト(1950/01/15 不二書房)
  • 平原太平記(1950/01/20 東光堂)
  • 来るべき世界(1951/01/10 不二書房)
である。

この復刻版はブックケースにブックカバー付きの「新寶島」と「新寶島読本」というブックレットが収められている。
当時持っていたものには、もちろんブックケースもブックカバーもなかったが、
ただ、購入後に付けたものだろう、パラフィン紙で表紙が保護されていたのを覚えている。


新寶島読本

この「新寶島読本」には「新寶島」にまつわる当時のいきさつが語られていておもしろい。

「新寶島」の初版は手塚治虫の原画を写真製版したものでなく、版下職人が原画を手描きでトレースして製版した描き版であり、
さらに酒井七馬によって60ページほども削除され、また多くの描き換えやセリフの書き換えもされたことなどから、
手塚治虫自身の作品とは言えないということで、長い間復刻が許されなかったようだ。


冒頭の見開き4コマ

当時の一般的な手法であった、舞台を見るような平面的な横の動きの描き方ではなく、
「動作のピークを捉える」ことや、「スローシャッター的表現」といわれる写真表現にも通じるような描き方だといわれるが、
冒頭のスポーツカーが走る4コマだけでも映画的なカットで、これからの物語の展開に引き込まれていく。

様々ないきさつの末に発行された「新寶島」だが、そのようなことを子供の頃は知る由もなく、
繰り返し読んで楽しんだものだった。
今、大人が読んで面白いものではないかもしれないが、その後の劇画やアニメなど、
複雑なストーリー展開や描写をした、そのようなものと比べるものではないのだろう。

手塚治虫 TEZUKA OSAMU OFFICIAL
https://tezukaosamu.net/jp/

2019年5月12日

Nikon Fの白黒ミックス

ニコンF(ブラック)+ フォトミックFTNファインダー(シルバー)

ニコンFのブラックとシルバーで、ファインダーの組み合わせを替えてみる。
ブラックボディだけのキヤノンF1では、こういう遊びができない。

「マディソン郡の橋」では、ニコンFブラックボディにシルバーのアイレベルファインダーだが、
シルバーのアイレベルファインダーがないので、フォトミックFTNファインダーである。


ニコンF(シルバー)+ アイレベルファインダー(ブラック)

「マディソン郡の橋」の逆組み合わせである。
少し違和感が・・・


ニコンF(シルバー)+ フォトミックFTNファインダー(ブラック)

この組み合わせはニコンF2フォトミックと同じなので、違和感が一番少ないか。

2019年5月5日

気難しいヘクトール 7.3cm

Leica Hektor 7.3cm F1.9

気難しいレンズだ
これはという描写が得られない

たいへん光を好む
光がないとモヤっとした写真で終わる