2019年11月28日

キヤノンF-1:ファインダーイルミネーターF

ファインダーイルミネーターF

キヤノンF-1用の「ファインダーイルミネーターF」は露出計用採光窓を照明するアクセサリーであるが、
外装が安っぽいプラスティックなので、精悍なF1のブラックボディには似合わないのが残念である。

同じようにニコンにはF、F2用の「フォトミックイルミネーター DL-1」があり、
フォトミックファインダーの上面にある露出計用採光窓を照明することができる。


電池室

電池はF-1の露出計用と同じ1.35Vの水銀電池H-Dだが、今は製造停止になっているので、アダプターでSR43を使うことになる。
この電池蓋はF-1ボディの電池蓋と同じもので、「キヤノン フラッシュカプラーF」に付属するアイピースリング-2と同じように、
F-1ボディと共用できるのが便利である。


露出計採光窓

キヤノンF-1の露出計メーターは、採光窓からの自然光の明かりでファインダー内に表示される。
そのため夜間撮影などではファインダー内の露出計メーターが見えにくくなるので、ライトで採光窓を照らす必要がある。
こういうアクセサリーは暗い被写体だと露出計も使えないので意味がないが、
被写体が明るくて撮影場所か暗いという舞台撮影や明るい夜景のような時には有効だろう。


取り付け

取り付けは巻き戻しクランク脇の溝に、前方から差し込み固定するだけである。


Canon F1 + Finder Illuminator F

以前からあったフラッシュ用アクセサリの「フラッシュカプラーL」はファインダーイルミネーター機能も備えていて便利だが、
巻き戻しクランク部を覆ってしまった。
F型番になった「ファインダーイルミネーターF」や「フラッシュカプラーF」では巻き戻しクランク部を覆わなく、
装着したままフィルムの巻き戻しができるように改良されたのだ。

2019年11月22日

2019年11月18日

カメラのサイズ



カメラの大きさというのは使い易さという点から重要であるが、使いやすいサイズは人によって違うので、
どの大きさが良いとは一概に言えないだろう。
手の大きさや持ち方によっても感じ方が違う。
右手の人差し指の位置、親指の触れ方、小指と薬指の遊びなどでカメラの安定性も変わってくる。


Nikon F:147 x 99 x 54mm
Fuji X-E1:129 x 74.9 x 38.3mm

今使っているデジタルカメラの中で一番大きいものがフジ X-E1で、サイズは「129 x 74.9 x 38.3mm」である。
M型ライカを意識して開発されたフジ X-Pro1はライカ Mのサイズとほぼ同じ「139.5 x 81.8 x 42.5mm」なので、
 X-E1と比べるとかなり大きく感じる。

とはいっても、フィルム時代のニコンFは更に大きく「147 x 99 x 54mm」というサイズである
幅136mmのニコンSPをベースに、中央にミラーボックスを組み込んで横幅が11mm大きくなったニコンFが、
当時の一眼レフのサイズの標準になったようで、大きくて、重くて、頑丈がプロ機の証だった。
けれどデジタル一眼レフのモンスターのようなデザインと大きさに比べると、洗練されたフォルムと大きさであるように感じる。

高さ99mmというのはアイレベルファインダーのトップまでの高さで、ボディ上面までは70mm、ダイヤル類の上面までが80mmと、
X-E1とほぼ同じでホールド感は悪くないようだ。
ただ全体的にはX-E1と比べても、かなり大きく重いので、今となっては長時間持ち歩くには勇気がいる。


Leica III :133 x 69 x 36mm
ライカCL:121 x 76 x 32mm

ライカM3や以前使っていたキヤノン6Lのようなレンジファインダーカメラも、
小型のミラーレスカメラに慣れてしまった今では大きく感じてしまう。
M型サイズのニコン、キヤノンのレンジファインダーカメラもいいのだが、高さがある分ホールドしにくいので、
ライカCLやライカIII型が大きさ重さ共に、ベストなスナップカメラだと思っている。

小柄なオスカーバルナックが自分のために作ったライカだが、
もしバルナックがM型ライカを作ったとしたらCLのようなサイズだったかもと考えてしまう。


Canon F-1:146 x 98.7 x 43mm
Nikon F:147 x 99 x 54mm

キヤノンF-1はボディ上面までが75mm、シャッターボタン上面までが85mmでニコンFと5mmしか違わないのだが、
この差でキヤノンF-1はニコンFより握りにくく感じるのだ。
一眼レフは左手で支えて構え、右手は添えるだけなのでF-1を使っていた時は、あまり握りにくさは感じなかったが・・・

M型ライカも高さは80mmほどなのでボディ上面までは75mm程度だろう。
私は手が少し大きいが、実際にM3を持った時も握りやすいとは思わなかった。


Leica III :133 x 69 x 36mm
Leica X1:124mm x 60 x 32mm

バルナックライカの大きさと縦横のサイズ比率はバランスがとれていると思っている。
右手で持った時のボディの高さと、ボディ前面のスペースが絶妙で、右手だけで持ってもしっかりとホールディングできるのだ。
X1はバルナックライカをデザインに取り入れているので、サイズ的にもベストで、
横幅がIII型よりも9mm短いためよりコンパクト感がある。


E-P5:122.3 x 68.9 x 37.2mm
Leica X1:124mm x 60 x 32mm

小型軽量を目指したオリンパスの一眼レフOM-1のサイズは「136 x 83 x 50mm」である。
横幅はバルナックライカとほぼ同じで、高さはペンタプリズムがあるので高くなっているが、
ボディ上面までだとほぼ同じかもしれない。
Pen E-P5のサイズは、Leica X1とほぼ同じであるが、持った時に少し窮屈さを感じるのはグリップが付いているからだろう

***

右手でのカメラの持ちやすさは高さに関わってくると思えるので、
ボディ右側(シャッターボタン側)のトップカバー上面までの高さを実測してみた。

キヤノンF-1:75mm
ニコンF:70mm
ライカCL:69mm
フジX-E1:67mm
オリンパスE-P5:63mm
ライカX1:60mm
ライカIII:55mm

5mmとか10mmという違いであるが、カメラの場合この差は非常に大きい。
私の場合はボディ上面までの高さが70mmのニコンFが、持ちやすさの上限である。

2019年11月12日

桑原甲子雄:東京

東京 1934〜1993

森山大道氏は「大阪プラス」だったが、こちらは桑原甲子雄氏の「東京」である。
この写真集も厚さが4センチほどあり、736枚の写真が収められているが、
1934年〜1993年の間に撮られたもので、昭和9年から平成5年までの東京の記録である。

父親に買ってもらったライカI型で写真を撮り始め、その後ライカIII型とズマール50mmF2でも撮っていたそうだ。
主に東京の下町を撮影し、アマチュアであることに徹した写真家である。


1934年 浅草

「背景の大勝館が雪に霞んで見える。こちら側には電気館、番傘売りが立っている。
この冬はとにかく雪の日が多かった記憶がある」(桑原甲子雄)

このように、巻末には写真一枚づつに撮影地、撮影年、桑原甲子雄氏による解説が収められている。
これだけでも当時の東京を知る人々には懐かしく感じるだろう。
貴重な昭和の記録である。


1934年、1935年

2019年11月10日

2019年11月7日

背面モニターは要る?

FUJIFILM X-Pro3

富士フィルムのX-Pro3が発表されて、背面モニターの有無が話題になっている。
私の場合は背面モニターはいらないという側であるが、それは殆ど背面モニターは使わないからだ。

撮影設定もあまり変えることがなく、撮影後の再生確認もしないのでフィルムで撮っていた頃の感覚に近い。
今切ったシャッターで、どのように写っているか感覚的にわかるような気になっている。
どちらかなと思った時も面倒臭いのでモニターで見る気にならない。
それよりも次のシャッターに集中したい。
背面モニターがない方がフィルカメラのようで良いとかではなく、使わないからいらないのだ。

X-Pro3で見せたような、富士フィルムの既存にとらわれない、ユーザーに惑わされないアプローチに賛同である。
以前はオリンパスがこの立ち位置だったが・・・

2019年11月5日

Nikon F + Kiyohara Soft

Nikon F + KIYOHARA SOFT VK70R

このVK70RはニコンFマウントの固定式であるが、他にキヤノンFD、コンタックスRTS、ミノルタMD、ペンタックスK、
オリンパスOM、M42、コニカ、ライカR、リコー、キヤノンEOS、ミノルタ/ソニーα、があったようだ。

ニコンFマウントといっても自動絞り機構は備わってないので、絞り込みでの撮影になるが、これは他のマウントでも同じだろう。
絞り開放でもF5なのでファインダーは暗くて、スプリットイメージの距離計は真っ黒になり使うことができず、
マット面でのピントが合わせになるが、ソフトレンズらしくもやっとしているのでピントのピークがわからないのである。

ミラーレスカメラのEVFでは絞りに関係なく明るく見えて、拡大もされるのでピントの山も判別しやすい。


Nikon photomic FTN+ KIYOHARA SOFT VK70R

フォトミックFTNファインダーを使った場合、VK70Rには絞り連動のカニ爪が付いていないので露出は実絞り測光となる。
実絞り測光に切り替えるには、ファインダーの絞り連動ピンをカチッという音がするまで押し込めばいい。