2024年3月14日

Helios-44-2 58mm F2の使い方

Helios-44-2 58mm F2

Helios-44-2 58mm F2は古いフィルム一眼レフタイプのレンズなので、絞りがプリセット絞りになっていて、
使い方が少し違うので、フィルムレンズに慣れていないと戸惑いますね。

一眼レフ用レンズの絞りは、カメラの進化に伴って改良されています。
一番最初は「手動絞り」で、これは絞りリングを回すと連動して絞り羽根が動く方式でした
操作は開放絞りの状態でファインダーを覗いてピントを合わせた後、絞りリングを回し、
絞りを絞ってから撮影します。
このとき、慣れていないと絞りリングの目盛りを見るために、ファインダーから目を離すことになり不便でした。

次は「プリセット絞り」で、これは絞り値をセットするプリセット絞りリングと、絞り込みリングがあり、
絞り込みリングを回すと、予めセットしてある絞り値まで絞り込まれる方式です。
操作はプリセット絞りリングで絞りをセットして、開放絞りの状態でファインダーを覗いてピントを合わせ、
ファインダーを覗いたまま絞り込みリング回し、絞りを絞ってから撮影します。

その次は「半自動絞り」で、シャッターを押したときにプリセット絞りリングで予めセットしてある絞り値まで、
カメラボディ側から自動で絞り込まれる方式です。
巻き上げレバーでフィルムを巻き上げると、絞りが開放に戻ります。
操作はプリセット絞りリングで絞りをセットして、シャッターを押すだけです。

最終的に開発されたのが「完全自動絞り」で、プリセット絞りリングで予めセットしてある絞り値まで、
カメラボディ側から絞り込まれる方式は半自動絞りと同じですが、絞りを開放に戻すのも、
カメラボディ側から自動で行われます。
操作はプリセット絞りリングで絞りをセットして、シャッターを押すだけで、
一般的に、一眼レフレンズといえばこの方式です。


絞り値が刻印された絞りリングと、その下の絞り込みリング

このHelios-44-2 58mm F2はプリセット絞りのレンズなので、プリセット絞りリングと絞り込みリングがあります。

先端の赤い点がプリセット絞り指標、その下の数字が書かれているリングがプリセット絞りリングで、
さらにその下にある赤い点だけが付いているリングが絞り込みリングです。
絞り込みリングは軽く回るのですが、プリセット絞りリングはかなり硬いので、
普通の絞りリングのように指二本で回せません。
なんでこんなに固いのかわかりませんが、瓶の蓋を開けるような要領で、やっと回せます。

このレンズは、絞り込みリングをプリセット絞りリングの"2"と印字されている方向に止まるまで回すと、
絞りが絞られます。
反対方向に止まるまで回すと、絞りが開放にセットされるようになっています。


プリセット絞りF8、絞りF2状態

例えばプリセット絞りリングを"8"にセットした場合、絞り込みリングを"8"の方向に止まるまで回すと、
開放絞りになるのでピントが合わせやすくなります。


プリセット絞りF8、絞りF8状態

次に絞り込みリングを反対側に、"2"の位置で止まるまで回すとF8に絞り込まれます。


プリセット絞りF16

ミラーレスカメラで使う時はプリセット絞りリングを"16"にしておくと、絞り込みリングを回すことで、
絞り値はわかりませんがF2からF16まで連続して絞りを変更できるので、
固い絞りリングを回さなくていい、この方法が便利です。

また、プリセット絞りリングを常用F値に(例えばF8)セットしておけば、絞り込みリングを回すだけで、
ファインダーを覗いたまま瞬時に絞り開放と常用F値を切り替えられるので便利かもしれません。


レンズの指標は真上に

このレンズはミラーレスカメラで使っているので、K&Fのレンズマウントアダプターを使っていますが、
M42のねじ式なので指標の位置が心配でしたが、きっちり真上で固定されるので問題はありませんでした。

ただ接合部に大きくくびれができるフォルムになるので、好みは分かれると思いますが、
私はこういうフォルムは好みなので気に入っています。

2024年3月12日

x713 * 雛めぐり





Fuji X-E4
Voigtlander COLOR SKOPAR 35mm F2.5 PII 
F11, SS:Auto

やっぱりスナップは
モノクロ パンフォーカスが
楽しい

2024年3月10日

富士フイルムのカメラも高価になった

フジフィルムモールより

というよりもカメラ機材全体が高価になっていますが、これもインバウンド価格なんでしょうか。
ドル建てで価格設定すると、円安の影響で国内価格が高くなってしまうので、
日本のカメラを輸入して買っているのと同じようで、やっぱり海外マーケット中心の販売計画なのでしょうね。

ミラーレスカメラが過度期の時は普及のため価格を抑えていたのでしょうが、ミラーレスが一眼レフを追い越して、
キヤノンやニコンがミラレーレスに参入すると、思っていた通り価格が高騰しました。

最近発表されたX100 VIは、フジフィルムモールで281,600円ですが、単焦点レンズのコンデジがこの価格とは、
やっぱり高くなったな〜 と思います。
フルサイズのニコンZ f 40mm f/2 レンズキットが、331,100円ですからね〜
しかも発売前に供給不足がアナウンスされ、大型カメラ店では抽選販売になっているようです。

まあ、センサーサイズや機能、性能だけで価格は決められないでしょうが、、、

X-E4も新品は250,000円ほどに値上がり、中古でも190,000円前後とあいかわらず高額になっています。
こういう状況になると、転売目的の購入がさらに増えそうですね。

X-E1は新品で40,000円で買ったのですが、今は中古で50,000〜70,000円ぐらいになっています。
一時期は、中古で10,000円前後で売られていたのが信じられないくらいです。

この様子だと、まだまだ富士フイルムのカメラは、欲しいけれど買えないという状態が続きそう。
今のカメラ販売は異常な状況なので、気軽に買えたX-E1の頃が懐かしいです。

2024年3月3日

ペンタックス初のハーフ版フィルムカメラ

RICOH Auto HalfとPENTAX Espio Mini
動画「Film Project Story #3」より

リコーイメージング株式会社のPENTAXブランドフィルムカメラの開発が、製品化開発段階に入ったそうです。
        
   【開発中製品の概要】
   ・製品名:未定
   ・発売時期:2024年夏頃の発売を目指して開発中
   ・価格:未定
   ・ 35ミリ判コンパクトフィルムカメラ
   ・縦位置構図を基本とし、フィルム1コマに対し2コマ撮影できるハーフサイズフォーマットを採用
   ・巻き上げレバーによる手動フィルム巻き上げ方式および巻き戻しクランクによる手動巻き戻し
   ・手動で設定が可能なゾーンフォーカス方式を採用
   ・上記の仕様は開発時点のものであり、予告なく変更する場合があります。    
        
ということで、ハーフサイズカメラです。
今はフィルムも高価なので、ハーフサイズフォーマットが現実的ですね。

完全機械式ではなく、電子シャッターと自動絞りのオート露出カメラのようで、
撮影モードを選ぶことができるようです。

フォーカスは連動距離計ではなく、ゾーンフォーカスです。
今レンジファインダーを作れるのはライカのみで、日本のメーカーは作れないのと、
作れてもコストが大幅にアップしますからね。

あとは外装素材、デザイン、価格設定がどうなのか気になります。
2万円前後で、中古のコンパクトフィルムカメラが購入できるので、質感と価格のバランスが難しそうです。

今回は若者ターゲットのコンパクトカメラですが、
これの上位機種は、PEN Fのようなレンズ交換式のハーフサイズ一眼レフになるのでしょうか。

今は、同じようなデジタルカメラしか作らないカメラ業界なので、このような試みで変化を与えるのもいいですね。
頑張って欲しいです。

2024年3月1日

2024年2月26日

Helios-44-2 58mm F2

Helios-44-2 58mm F2
  • 焦点距離:58mm
  • レンズ構成:4群6枚(ダブルガウス型)
  • 絞り:F2.0〜F16
  • 絞り羽根:8枚
  • 撮影距離:0.5m〜∞
  • フィルター径:49mm
  • マウント:M42
  • 質量:230g
  • 製造:VALDAI
  • 発売年:1979年

ロシアレンズは、カールツアイス・イエナのテッサーがインダスター、ビオターがヘリオス、
フレクトゴンがミール、ゾナーがジュピターということで、
Helios-44-2 58mm F2はカールツアイス・イエナのBIOTARがベースですが、全く同じではないようです。

KMZ製 HELIOS-44(Zenit-M39マウント)の後継レンズで1958年からKMZ, VALDAI, MMZで製造されたようですが、
この個体はHELIOSやJUPITERを作っているVALDAI工場製になります。


VALDAI工場のロゴ付き

72年のKMZ製がオリジナルに近くシャープに写るようですが、見かけるのはほとんどVALDAI製で、
このレンズにも"串刺しおでん"のようなVALDAIのロゴが付いています。
品質や性能の良さはKMZ、MMZ、VALDAIの順らしいです。


Helios-44-2 58mm F2 マウント部

M42マウントの一眼レフ用レンズですが、レンジファインダーカメラのL39マウントより、
マウントねじサイズが3mm大きいだけなので、マウント部分は小さいです。


絞り羽根の油滲み

絞り羽根に油滲みのある個体も多いようで、このレンズもたっぷり油滲みがありますが、
絞り羽根は固着していないので、このまましばらく使えそうです。


KMZロゴのレンズキャップ 

レンズキャップ は、ZENITの文字とKMZ工場のロゴ付きのビニール製カブセ式が付いていました。


Made in USSR

Made in USSRなので、ロシアレンズと呼んでいますが正確にはソビエトレンズです。



グルグル暈けが出るといわれていますが、普通に撮ったのでは出ないようです。
個体差もあると思いますが、絞り開放で条件が揃わないとダメなようで、
出たとしても強烈なグルグル暈けでないので、あまり期待しない方が良さそうです。

私は58mmの焦点距離と軽さが狙いだったので、むしろ良かったのですが、
グルグル暈け狙いの場合はがっかりするでしょう。

58mmのレンズで、この軽さと大きさはAPSCのミラーレスカメラで使ってもバランスがいいように思います。

2024年2月23日

2024年2月19日

58mmレンズという選択

NIKKOR S Auto 5.8cm F1.4 & Helios-44-2 58mm F2

ニコンとロシアの58mmレンズであるが、焦点距離58mmのレンズは、初期の一眼レフカメラで、
50mm F1.4レンズが開発されるまでの一時的なレンズだったので短命なモデルが多い。

今使っているカメラはAPSCセンサーのミラーレスカメラなので、58mmという焦点距離のレンズが都合がいい。
それは、APSCはフルサイズと比較すると約1.5倍にクロップされるので、58mmは87mmの画角となるからだ。
これは、85mmと90mmの中間で、どちらにも対応できそうな気がする。
ただ、58mmという焦点距離のレンズは一眼レフ用しかないので、大きくて重いのが難点である。

もう一つ、潤沢に中古市場にある50mmオールドレンズが、中望遠の75mmになるので、
マイクロフォーサーズからAPSCに乗り換えた理由もここにある。


マウントアダプター付き

フィルムカメラで撮っていた頃はは20mmや28mm、35mmでよくスナップをしていたが、
最近は広角レンズでの尖ったスナップよりも、中望遠での丸いスナップのほうが安心して撮れる。

使用するレンズの焦点距離は、年齢に比例すると昔から言われていたが、それを実感するようになってきた。

2024年2月17日

Yashica Electoro 35 GS 通電

黄色のランプが点灯したElectoro 35 GS

外観が綺麗になったElectoro 35 GSですが、電気回路が動作するのか調べてみると、正常にランプも点灯したので、
巻き上げレバーを巻いて、カチッと音がしないというのは影響なかったようです。

通電の確認方法は、定番の自作の電池アダプターです。



使った電池は4LR44 6Vです。

厚紙で枠を作りますが、トイレットペーパーの芯が程よく丸まっていて、厚さも硬さもピッタリでした。
Electoro 35 GSで使われるHM-4Nの水銀電池の長さは約43mmなので、このサイズにカットして、
電池の+極側にスペースを作り、電池を包むように丸めます。



次に、ビニールテープを巻いて筒状に固定します。



スペースのある+極側に、キッチン用のアルミホイルを固めて詰めます。
これだけで、アダプター電池が完成です。



電池蓋は、電池の液漏れで緑青が出たり汚れたりしていましたが、クリーニングでほとんど汚れが取れました。

Electoro 35 GSは電池蓋の方が +極になっているので、アルミホイルが蓋側にくるように電池を入れます。
電池蓋を閉じてシャッターを切ってみると、シャッター速度も明るさに応じて変化しているので、
精度は分かりませんが露出計も働いているようです。
SLOW、OVERのランプ表示も適正で、長時間露光のスローシャッターも働いています。
電池の液漏れで電気系統はダメかなと思っていたのですが、回路も露出計も生きていたようです。

とりあえず動作不明のカメラは、このような手作りアダプターで動作確認をして、
使っていけそうなら、市販品の電池アダプターを購入するのがいいかと思います。

後は、レンズとファインダーのクリーニングです。

2024年2月9日

レンズフィルターに拘るとキリがない


Leica Summaron 3.5cm F3.5

L39マウントの「Leica Summaron 3.5cm F3.5」のフィルターのことである。
このレンズのフィルターは特殊で、レンズの周囲に22mmのフィルター取り付ネジが切られているのだ。


Leica Summaron 3.5cm F3.5 + ケンコー22mmフィルター

この小さいサイズのフィルターは少なく、ケンコーが販売している。
なので、ケンコーの22mmを付けていたのだが、これは厚みのある普通の形状なので、
レンズ先端から飛び出していて金属製のカブセ式レンズキャップが付けられないので、
ビニール製の深いカブセキャップを付けていた。


ケンコーの22mmフィルターとUNX-9617 φ22mm フィルター

その後にUNが22mmで厚さ1.2mmの平型フィルターを発売したのが、もうケンコーのフィルターを付けていたので、
しばらくは無視していたが、やっぱり気になって購入してしまった。


Leica Summaron 3.5cm F3.5 + UNX-9617 φ22mm フィルター

UNは平型フィルターなので普通のA36の金属製のカブセ式レンズキャップが付けられるからという、
それだけの理由だ。


Leica Summaron 3.5cm F3.5 + A36のカブセ式フィルター

それに22mmのフィルターでなくても、Summaron 3.5cmにはA36のカブセ式フィルターが付けられるのである。
だったらそれでいいだろうが、せっかくの小さなレンズが大きくなってしまうので、
デザイン的に22mmの方が好みというだけのことである。


Canon L3 + Leica Summaron 3.5cm F3.5 + UN22mmフィルター

「UNX-9617 φ22mm」はSCHOTT社製のガラスを採用しているという文言にもくすぐられてしまう。
ただ「フィルター枠への彫刻はシンプル性を追求した為、最低限のフィルター径のみを彫刻致しました」
という製品説明だが、それならば白文字ではなくて黒のエンボス文字にして欲しかった。
小さなフィルターに、この白文字は逆に目立つのだ。

カメラ好き、レンズ好きの変なこだわりである。