2019年9月6日

未来技術遺産登録:Nikon F

Nikon F

「重要科学技術史資料」(愛称:未来技術遺産) 登録

登録番号:第 00280 号
名称 (型式等):ニコンF

*選定理由*
機能、品質面及びシステム性により、国産カメラの評価を世界的に高めた 一眼レフカメラである。
先進的なレンズマウント、クイックリターンミ ラー、完全自動絞りを搭載、ファインダー交換などを実現し、
15年以上に わたり、プロ、ハイアマチュア用機材としてカメラ業界に君臨する製品と なった。
日本のカメラ産業を世界一に導く契機となった機種として重要で ある。(重要科学技術史資料より)


確かに日本のカメラ産業を変えた一台であり、今となってはM3ショックを上回るニコンFショックだったのかもしれない。
他にハンザ・キヤノンやアサヒフレックスI型も登録されたが、
歴史的だけでなく、実用面も含めてシステム一眼レフの完成形としてのニコンFは最も相応しい思える。

2019年9月2日

Jupiter-8 50mm F2

Jupiter-8 50mm F2

  • 型名:Jupiter-8(中期型)
  • レンズ構成:3群6枚(ゾナー型)
  • レンズマウント:L39
  • 焦点距離:50mm
  • 絞り:F2.0~F22(クリック無)
  • 絞り羽根:9枚
  • 最短距離:1m
  • フィルター径:40.5mm
  • サイズ:44mm × 50mm
  • 重さ:約120g
  • 製造年:1962年
  • 製造工場:KMZ

ジュピター8はコンタックスのコピーであるキエフ用に製造したものだが、
1950年代なかばから同じレンズ構成でライカLマウントのゾルキー用として製造されている。
1970年代以前は軽合金の銀色鏡胴、以降は黒鏡胴で、初期型にはフォーカスレバーが付いているようだが、
これは銀色鏡胴でフォーカシングレバーなしのタイプである。

ロシアレンズは以前Industar-61 L/D 55mm F2.8を使っていたが、どうも気に入らなくて手放した。
テッサータイプのレンズは好みに合わないようだ。
ロシアレンズには手を出さないようにしていたが、定番のJupiter-8 50mm F2はゾナー 5cm F2の完全コピーなので、
懲りずにまた手に入れてしまった。


Leica CL + Jupiter-8 50mm F2

プラスチックの上に銀色メッキをしたような安っぽさで、
おそらく磨いたからだろう、この品のないテカテカもソビエトレンズらしくて面白い。
絞りリングがガタついているが、このようなものらしい。


クラスノゴルスク機械工場のマーク

レンズにはKMZ(クラスノゴルスク機械工場)のマークが付いている。
この工場はモスクワ郊外の軍需工場だったが戦後は光学製品を製造したらしく、1950年頃までのレンズはKMZ製が多いそうだ。


アーセナルの工場マーク

レンズキャップにはアーセナルの工場マークが付いているが、他のレンズのものだろうか。
ウクライナにあるアーセナル工場ではKIEVボディを製造していて、1950年代中場当たりからレンズも生産したが、
L39マウントのレンズは作らなかったようだ。


Olympus PEN E-P5 + Jupiter-8 50mm F2

Olympus PEN E-P5とJupiter-8 50mm F2は収まりがいい。
この組み合わせで撮ってみたが、Industar-61 L/D 55mm F2.8よりも柔らかな描写が好ましい。
もちろん逆光ではフレアーが出るが、それもロシアレンズの味だと思って利用すればいいだろう。





Olympus PEN E-P5
Jupiter-8 50mm F2