Canon L3
- 型式:35mmフォーカルプレーンシャッター式距離計連動カメラ
- 画面サイズ:24×36mm
- マウント:ねじ式マウント(L39)
- シャッター:2軸式布幕横走行フォーカルプレーン
- 1/500、1/250、1/125、1/60、1/30秒、B(中軸指標付き 回転ダイアル式)
- 1/15、1/8、1/4、1/2、1秒、T(1軸ダイアル式)
- セルフタイマー:なし
- フラッシュシンクロ:なし(ターミナルソケット部に蓋付き)
- ファインダー:二重像合致式連動距離計、回転式3段階視野倍率可変ビューファインダー(50、35、RF)
- アクセサリーシュー:パララックス補正ピン付き
- フィルム装填:裏蓋開閉スプール差し込み式
- フィルム給送:上部回転巻き上げレバーによる1作動式(小刻み巻き上げ可能)
- フィルムカウンター:手動セット逆算式 0~39目盛り
- フィルム巻き戻し:埋め込み型ポップアップ回転ノブ式
- 標準レンズ:キヤノン50mm F2.8
- 大きさと質量:143 × 76 × 34mm、530g(ボディ)
- ボディ単体価格:32,000円
- 発売年:1957年 (昭和32年) 11月
シャッター周り
V型や、このL型はバルナック型のIV型からの過度機のモデルであり、シャッターダイヤルは2軸回転式のままだが、
レバー巻き上げ、シャッターボタンの位置、裏蓋開閉式と改善も見られる。
V型とL型の違いは、セルフタイマーが付いているのがV型、付いていないのがL型である。
3タイプあるL型の見分け方は、L1型が最高シャッター速度が1/1000で、L2型とL3型は1/500である。
フラッシュソケットのカバー
L2型とL3型の違いはフラッシュ直結ソケットが付いていればL2型、付いていなければL3型であり、
省略されたソケットには、同心円の飾りが刻まれたカバーが付けられていて手抜きを感じない。
おそらくボディ自体はL2型であり、フラッシュの配線などの工程を省いてソケット部にカバーを付け、
価格を抑えたのかもしれない。
視野倍率可変ビューファインダー(50mm、35mm、RF)
キヤノンのレンジファインダーカメラといえば、この倍率可変ビューファインダーだろう。
ファインダー右側のギアを回すと内部のプリズムブロックが回転して、50mm用、35mm用、拡大用(RF)に切り替えられる。
一眼式レンジファインダーなので、これにより距離計の精度を上げることができたが、
少しファインダーが暗くなるというマイナス面もあった。
飛び出た巻き戻しノブ
この時代のキヤノンのカメラは普及型や姉妹型と言っても、すごく丁寧な作りで精密感、剛性を感じる。
回転式可変ビューファインダーやポップアップ式巻き戻しノブというようなギミックが楽しく、
小刻み巻き上げできるレバーなど使い勝手は良い方だろう。
Canon L3
L3型はセルフタイマーもフラッシュソケットも省略した廉価仕様だが、ストリートフォトには逆にこれが良く、
余分なものを削ぎ落としたプロ用スナップシューターのようである。
シャッター速度も1/250で、絞りF8で使うことが多いのでこれで十分。
ボディデザインもグッドデザイン賞をとった、空母型と称されフラットな上部デザインのL1型と同じなのである。
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