2018年6月18日

KIYOHARA SOFT VK70R

KIYOHARA SOFT VK70R

  • 型名:KIYOHARA SOFT VK70R
  • レンズ構成:1群2枚(メカニカス型)
  • 焦点距離:70mm
  • 画角:34.3゜
  • 最短撮影距離:0.6m
  • 絞り羽根枚数:12枚
  • 絞り:F4.7~F35
  • 絞り目盛:F5, 6, 7, 9, 11
  • フィルター径:49㎜
  • 全長:41mm
  • 最大径:58mm
  • 重量:約 125g
  • 発売:1986年

清原光学のKIYOHARA SOFT VK70R F5で、マウントはニコンFである。
ベス単フード外しと同様のソフトフォーカス効果を簡単に一眼レフで使用できるように開発されたレンズで、
清原光学研究所が製造し、コプティックが販売していた。

ベス単フード外しとは「ベストポケットコダック単玉レンズ付き」というカメラのレンズの周辺を覆っているフードを取り外して、
開放絞りで発生する球面収差を利用してソフト描写をする方法だ。

このベス単フード外しで思い浮かぶのが、ベス単写真帖 「白い風」の植田正治さんである。
以前、植田正治写真美術館を訪れたが、フォーカルプレーンシャッター幕のスリットのような建物の間から見る、
逆さ大山が印象的だった。
「私の写真作法」では「ソフトフォーカスは、目的を持った撮影に限定されることをユメユメお忘れなく」と語られている。


KOPTICのロゴ

鏡胴は金属製であるが、持ってみると軽いのはレンズが1群2枚と少ないからだろう。
半光沢の塗装でFujiのレンズとよく似ている。


レンズの前面

レンズ前面のロゴや絞り表示の文字は写真では白く見えるが、実際は僅かに黄色味を帯びていて落ち着いた感じがする。

VK70Rは絞りリングがエルマー50mm F3.5のようにレンズ前面にあるので使いにくいが、クラシック感があるデザインだ。
フィルターは49mm径が付けられるが、これだと絞りの操作ができなくなるので、
VK50Rでは普通の外周リングの絞り操作に改められている。
VK70Rは絞り羽根が前面レンズのさらに前にあり、剥き出しになっているのもすごいが、
これもVK50Rでは保護ガラスが付いているようだ。


フォーカスリング

フォーカスリングには距離目盛はないがマークが付いて、長い線は無限遠のようだがドットの意味はわからない。

  • 補足(VK70Rの説明書によるとドットは、「撮影者の目安となるよう打ってあり、
    風景撮影でF7の場合は3点目の位置が中心解像が最良となります」と記載されているようだ。
    また、絞りによる焦点移動も発生するようである。

開放絞りがF5なので一眼レフではファインダーが暗く、スプリット部が使えないのでマット面でのピント合わせになるが、
ピントの山が掴みにくく、ソフトフォーカス効果もわかりにくい。


Fuji X-E1 + KIYOHARA SOFT VK70R

ミラーレスのライブビューでは、ソフトフォーカス効果はわかりやすいようだ。
ピントの山は一眼レフよりわかりやすいが、MFアシストを使ってもピントを合わせにくい。


ソフト効果を見るためにFuji X-E1で使ってみた。

開放絞り
F5よりもさらに絞りリングを回す 


F5
強めのソフト効果のようだ 


F6
好みのソフト描写だ


F7
 ストリートフォトに良いかもしれない


F9
少し、しっかりとした描写になる 


F11
普通の描写だが、カリカリではなく柔らかい


Fuji X-E1のAPS-Cサイズのセンサーだが、
芯のあるソフト描写が美しく、ソフト効果の変化も大きいので色々なシーンで楽しめそうだ。
特に逆光気味の斜光で白のハイライトをポイントに使うといい効果が出るだろう。