2024年9月3日

SEVENTH AVENUE SOUTH

SEVENTH AVENUE SOUTH  (Vinyl)

このジャケットに惹かれて買ってしまう一枚だが、南佳孝のトップアルバムだと思っている。
7作目のアルバムでSEVENTH、南 佳孝の南で SOUTHということらしいが、
静かな夜にヴァイナルレコードで聴きたい大人のアルバムである。

ジャケットの絵はエドワード ホッパーの「夜更かしの人々 Nighthawks」で1942年の作品だ。
ホッパーの作品はストリートフォト、スナップフォトを見ているようで、説明しすぎない、余白を作る、
大胆な構図というように写真的であり、また都会の孤独を感じさせてくれるので、
このアルバムコンセプトに合っていると思う。

このアルバムは1982年にリリースされた初のN.Y録音アルバムで、レオン ペンダ―ヴィスがアレンジを担当、
フュージョン、ジャズのミュージシャンを集めて制作したということだが、
ジャズということではなく、ジャジーな曲風という感じである。

サンボーンのアルトサックスのソロから入る一曲目の「Cool」でJazzyな空間に刺激され、
名曲「Scotch and Rain」で都会の夜に引き込まれていく。

ただ、ラストの「Chat Noir(黒猫)」がトニー レヴィンのアレンジなので少し異質。
「Sketch」で終わっていてもいいが、、、

このようなことは、大瀧詠一の「A LONG VACATION」でも気になった。
ラスト曲の「さらばシベリア鉄道」で、それまでは夏のイメージだったのが、急に酷寒のシベリアになる。
前曲のラストで拍手と手拍子を入れて、アンコールの体裁をとっているが違和感を感じた。
この「SEVENTH AVENUE SOUTH」では手拍子の代わりに「Sketch」で切り替えをしているのだろう。

「モンローウォーク」、「スローなブギにしてくれ」、「スタンダードナンバー」、「ブルーズでも歌って」
のようなヒット曲はないが、バランスの取れた、渋い佳曲揃いで気持ちの良いアルバムだ。

南佳孝のアルバムをヴァイナルレコードでというなら、真っ先にお勧めしたい一枚である。

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