キヤノンはトリガー式フィルム巻き上げの機種を1956年から1961年にかけて発売している。
レンジファインダー機は3機種で
- 1956年 VT型:底部トリガーによる1作動 直進式
- 1957年 VT Deluxe型:底部トリガーによる1作動 直進式
- 1958年 VI T型:底部トリガーによる1作動 直進式
一眼レフは3機種で
- 1959年 Canonflex:底部トリガーによる1作動 130度回転式
- 1960年 Canonflex RP:底部トリガーによる1作動 130度回転式
- 1960年 Canonflex R2000:底部トリガーによる1作動 130度回転式
レンズシャッター機は1機種
- 1961年 Canonet:底部トリガーによる1作動 100度回転式
特にキヤノン初の一眼レフRシリーズは、3機種がトリガー巻き上げで、
1962年 の最終機種キヤノンフレックス RMだけがレバー式である。
1957年にはキヤノンもレバー巻き上げのレンジファインダー機 L2を発売しているのに、
1959年のキヤノンフレックスがトリガー巻き上げである。
1954年のライカM3がレバー巻き上げとなり、これに対抗するため、ニコンS2も発売直前に急遽ノブ巻き上げから、
レバー巻き上げに変更しているように、レバー巻き上げが標準となりつつある時代だったのだが、、、
これがキヤノンの一眼レフが低迷した要因の一つかもしれない。
キャノネットの 底部トリガー
初代キャノネットは回転式のトリガーだが、上部の巻き上げレバーがボディの底に付いたような形状で、
レンジファインダー機の直進式の方が引き金のようでトリガーらしい。
トリガーの先端は折りたたみ式で、これを起こすと巻き上げやすくなる。
キャノネット のトリガー操作
初めて使うとトリガーをどのように操作するのか迷ってしまう。
使用説明書の写真では薬指でトリガーを、中指でフォーカスレバーを操作しているようだが、
ファインダーを覗いたままだと操作しにくいのだ。
実際どのような操作をしていたのか分からないが、親指をボディの左側面に当て、中指でトリガーを、
人差し指でフォーカスレバーを操作する方がいいようで、この指使いの方がしっくりするように思う。
このトリガーは左手で巻き上げて、右手でシャッターを切るという操作なので、
速写性に優れているということだが、キャノネット の場合は連続して速く巻き上げると、
露出計の指針が不安定になり、適正な露出が得られないという欠点があるため、
絞りオートでは連射をしてはいけないようだ。
このようにトリガー巻き上げは、それほど使いやすいとは思えないので、
左指はレンズの操作のみに集中できる、ボディ上部の巻き上げレバーが主流になり、
トリガー巻き上げは採用されなくなったのだろう。
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