2019年11月12日

桑原甲子雄:東京

東京 1934〜1993

森山大道氏は「大阪プラス」だったが、こちらは桑原甲子雄氏の「東京」である。
この写真集も厚さが4センチほどあり、736枚の写真が収められているが、
1934年〜1993年の間に撮られたもので、昭和9年から平成5年までの東京の記録である。

父親に買ってもらったライカI型で写真を撮り始め、その後ライカIII型とズマール50mmF2でも撮っていたそうだ。
主に東京の下町を撮影し、アマチュアであることに徹した写真家である。


1934年 浅草

「背景の大勝館が雪に霞んで見える。こちら側には電気館、番傘売りが立っている。
この冬はとにかく雪の日が多かった記憶がある」(桑原甲子雄)

このように、巻末には写真一枚づつに撮影地、撮影年、桑原甲子雄氏による解説が収められている。
これだけでも当時の東京を知る人々には懐かしく感じるだろう。
貴重な昭和の記録である。


1934年、1935年