カメラの大きさというのは使い易さという点から重要であるが、使いやすいサイズは人によって違うので、
どの大きさが良いとは一概に言えないだろう。
手の大きさや持ち方によっても感じ方が違う。
右手の人差し指の位置、親指の触れ方、小指と薬指の遊びなどでカメラの安定性も変わってくる。
Nikon F:147 x 99 x 54mm Fuji X-E1:129 x 74.9 x 38.3mm |
今使っているデジタルカメラの中で一番大きいものがフジ X-E1で、サイズは「129 x 74.9 x 38.3mm」である。
M型ライカを意識して開発されたフジ X-Pro1はライカ Mのサイズとほぼ同じ「139.5 x 81.8 x 42.5mm」なので、
X-E1と比べるとかなり大きく感じる。
とはいっても、フィルム時代のニコンFは更に大きく「147 x 99 x 54mm」というサイズである。
幅136mmのニコンSPをベースに、中央にミラーボックスを組み込んで横幅が11mm大きくなったニコンFが、
当時の一眼レフのサイズの標準になったようで、大きくて、重くて、頑丈がプロ機の証だった。
けれどデジタル一眼レフのモンスターのようなデザインと大きさに比べると、洗練されたフォルムと大きさであるように感じる。
高さ99mmというのはアイレベルファインダーのトップまでの高さで、ボディ上面までは70mm、ダイヤル類の上面までが80mmと、
X-E1とほぼ同じでホールド感は悪くないようだ。
ただ全体的にはX-E1と比べても、かなり大きく重いので、今となっては長時間持ち歩くには勇気がいる。
Leica III :133 x 69 x 36mm ライカCL:121 x 76 x 32mm |
小型のミラーレスカメラに慣れてしまった今では大きく感じてしまう。
M型サイズのニコン、キヤノンのレンジファインダーカメラもいいのだが、高さがある分ホールドしにくいので、
ライカCLやライカIII型が大きさ重さ共に、ベストなスナップカメラだと思っている。
小柄なオスカーバルナックが自分のために作ったライカだが、
もしバルナックがM型ライカを作ったとしたらCLのようなサイズだったかもと考えてしまう。
Canon F-1:146 x 98.7 x 43mm Nikon F:147 x 99 x 54mm |
キヤノンF-1はボディ上面までが75mm、シャッターボタン上面までが85mmでニコンFと5mmしか違わないのだが、
この差でキヤノンF-1はニコンFより握りにくく感じるのだ。
一眼レフは左手で支えて構え、右手は添えるだけなのでF-1を使っていた時は、あまり握りにくさは感じなかったが・・・
M型ライカも高さは80mmほどなのでボディ上面までは75mm程度だろう。
私は手が少し大きいが、実際にM3を持った時も握りやすいとは思わなかった。
Leica III :133 x 69 x 36mm Leica X1:124mm x 60 x 32mm |
バルナックライカの大きさと縦横のサイズ比率はバランスがとれていると思っている。
右手で持った時のボディの高さと、ボディ前面のスペースが絶妙で、右手だけで持ってもしっかりとホールディングできるのだ。
X1はバルナックライカをデザインに取り入れているので、サイズ的にもベストで、
横幅がIII型よりも9mm短いためよりコンパクト感がある。
E-P5:122.3 x 68.9 x 37.2mm Leica X1:124mm x 60 x 32mm |
小型軽量を目指したオリンパスの一眼レフOM-1のサイズは「136 x 83 x 50mm」である。
横幅はバルナックライカとほぼ同じで、高さはペンタプリズムがあるので高くなっているが、
ボディ上面までだとほぼ同じかもしれない。
Pen E-P5のサイズは、Leica X1とほぼ同じであるが、持った時に少し窮屈さを感じるのはグリップが付いているからだろう。
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右手でのカメラの持ちやすさは高さに関わってくると思えるので、
ボディ右側(シャッターボタン側)のトップカバー上面までの高さを実測してみた。
キヤノンF-1:75mm
ニコンF:70mm
ライカCL:69mm
フジX-E1:67mm
オリンパスE-P5:63mm
ライカX1:60mm
ライカIII:55mm
5mmとか10mmという違いであるが、カメラの場合この差は非常に大きい。
私の場合はボディ上面までの高さが70mmのニコンFが、持ちやすさの上限である。