2019年5月27日

DENON DL102

 DENON DL102

DENON DL-102は1961年に放送局用として開発され、
NHKや民放各局で使われていたモノラル レコード用ムービング・コイル形のカートリッジで、
モノレコードはもちろんステレオレコードのモノ再生にも使うことができる。


DENON DL102 説明書

  • 型名:DL-102
  • 形式:ムービングコイル形
  • 出力電圧:-48±2dB (1kHz 50mm/S 水平方向)
  • インピーダンス:240 Ω± 20%
  • 負荷抵抗:1kΩ以上
  • 周波数特性:50 ~ 10,000Hz ± 2dB
  • インピーダンス:負荷抵抗 周波数特性
  • 針先形状:0.017mm(0.7ミル)R球
  • 針 圧:3±1g
  • 自 重:13g
  • 外形寸法:28.5 x 18 x 9.5mm


DL102と金属製の保護カバー

DL102には金属製のカバーが付いていて、本体外装も金属製でズシリとした重量感がある。
樹脂外装のカートリッジが多いなか、このひやりとした金属の感触は格別だ。


DL102とリード線

DL102はモノラルカートリッジなので出力が2ピンであるが、
いまはステレオが基本なのでトーンアームやカートリッジはLR用の4ピンである。
なので2ピンのモノラルの出力を4ピンのステレオに振り分ける必要がある。

そのためリード線の接続が面倒なのだが、これは赤のピン先の金具に白のピン先を差し込み接合、
緑のピン先の金具に青のピン先の金具を差し込み接合して、信号をLRに分割している。
しかし、今はこのような方法よりも「BELLDREAM モノラル用 Y字型リード線」が販売されているので、
これを使う方が安全だろう。


Monica Lewis:Easy Come, Easy Go & DL102

一般的にモノラルレコードにはモノラル針、ステレオレコードにはステレオ用の針を使うが、
それはモノラルとステレオで記録方式が違うからだ。

ステレオ・レコードの記録方式は。レコード盤面に対し音の溝を左右斜め45°づつに分けてカッティングし、
ステレオの左右チャンネルを記録しているので左右の音溝の形状が異なり、レコードの針は上下左右に振動する。

一方、モノラル録音では左右とも同じ信号が掘られるので、横方向の振動でだけで記録できる。
そのためモノラル・レコードの再生専用カートリッジは、縦方向の振動感度が鈍く作られているので、
ステレオレコードに使用するとレコードの溝を損なうこともある。

このDL102は従来のモノラル カートリッジとは異なり、
上下方向にも適度に動くのでステレオレコードのモノラル再生も可能なのだ。

このDL102が今も現役で販売されているということは、それだけの信頼と再生能力が認められているからだろう。

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