2025年4月20日

3ヶ月目のTRIO チューナー

TRIO KT-7500

3ヶ月目のチューナー「TRIO KT-7500」だが、エージングが進んだのか、脳内補正が出来上がったのか、
いい音で快調に鳴ってくれている。
少しカサカサしていた音が、しっとりとしてきたようだ。
ジャンク品ということだったが、結果的に完動品で4000円というのはいい時代だ。

中古品は長期間使われていないだろうから、とりあえず電気を流してパーツを目覚めさせてやるということで、
2週間ほど外出時を除いて電源は入れたままにしていた。
機械製品は動かす、電気製品は電気を通すというのが、最上のメンテナンスということだろう。

これで徐々にザワザワ感が取れ、フワッと広がる艶っぽい感じの良い音になったようだ。

今はNHF FMを聞くことが多く、選曲することも少ないのでミュートはオフ、
MPXフィルターもステレオ感が少し損なわれるのでオフにしている。

NHK FMは民放FMとは違って、往年のまったりとした放送で、音楽のジャンルもクラシックから民謡までと幅広い、
これは公共放送ということで、昭和時代から変わっていないようだ。
とにかくFM放送を聴き始めた頃の雰囲気で、今でも聴けるのがいい。


TRIO KT-7500の内部

内部はどうだろうかと、トップカバーを開けて見ると、汚れもなくきれいな状態なので意外であった。
トップカバーはアンプのように放熱のためのスリットがなく、密閉型なので埃が入りにくいが、
ここまで綺麗なのは一度メンテナンスされているからだろうか。

チューニング ダイヤルとバリコンを連動させる糸も、痛みがなく新品のようだ。


TRIO KT-7500のバリコン

FM4連とAM2連のバリコンも見えるが、ケーブルも含めてあまり汚れていない。


TRIO KT-7500のFMアンテナ端子と同軸ケーブル

FMアンテナ端子の75ΩはF型端子ではなく、ねじ止めの直付けで5C-FB同軸ケーブルが接続できる。
いまはアンテナ接続ではなく、75Ωの端子にテレビのケーブルから分岐した5C-FB同軸ケーブルを接続している

最初は音出し確認のために4C-FBのアンテナケーブルを使っていたが、音が少し細く感じたのと、
高域が歪むようで気になったので5C-FBに変更した。
これで高域もすっきりとして、アナウンスの声も落ち着いた音になった。
1mほどの同軸ケーブルで音が変わるとは思えないが、これもフラシーボ効果かもしれない。

2025年4月4日

x761 * 片隅に






Fuji X-E4
Fujinon XF18-55mm F2.8-4
SILKYPIX Developer Studio Pro11

2025年4月2日

JBL 4312Aを上下逆さまに?

JBL 4311A

JBL 4310は1971年に発売された小型モニタースピーカーで、上にウーファーがあり、
下にスコーカーとトゥイーターというユニット配置になっている。
これはミキシングルームの窓の上など、高い所に設置することが前提となっているからで、
このユニット配置は4311でも同じである。

4312になって上にスコーカーとトゥイーター、にウーファーというユニット配置になる。


JBL 4312A

4312はホームユースを前提としているので、床置きのときウーハーが下になるようにユニット配置された。
けれど4312でも上にウーハーがくるように、つまり上下逆さまに設置する方が望ましいといわれることもある。

これは使用されている30cmコーン型ウーファーが、フルレンジユニットのような性格を持つためで、
クロスオーバー周波数が4310、4311、4312共に1.5kHzと高めに設定されていることや、
ウーハーの円周に沿ってスコーカーとトゥイーターを配置し、フレレンジに近づけていることからもわかる。

つまり4312も4310、4311と同じようにフルレンジユニットのような働きをして、
スコーカーとトゥイーターは補助的に働くのだろう。
4312Aはクロスオーバー周波数が1.1kHzと少し下がっているのでウーハーの性格も持つのだろうが、
YAMAHA NS1000の500Hzと比べると高いと思う。


JBL 4312A 逆さま

そういうことでJBL 4310を床に設置して使うときも、ウーハーは上のままにするのがいいそうだが、
かといって今使っている4312Aを逆さまに設置して使おうとは思わない。
ロゴが逆さまになるのが見た目にも不安定で落ち着かないのと、普通の置き方で不満のない音で鳴っているからだ。

ちなみに、最新モデルの4312Gでは640Hzになっているので、一般的なウーハーと言えるのだろう。

2025年3月29日

オンイヤー ヘッドフォン

ROSE DISTANT MOUNTAINとアシダ音響ST-90-05

昔から音楽を聴くのはスピーカーということで、ヘッドフォンやイヤホンはあまり好きではなかった。
イヤホンは耳に入る感触と、音が耳からではなく頭の中でいきなり鳴っているという聴こえ方が嫌いだ
ヘッドフォンは圧迫感と重さがいやで、どうしても使うことができなかった。

けれど、流石に夜遅くスピーカを鳴らせないので、ヘッドフォンを使うことになった。

使う前提として、ワイヤレスでなく小型で軽いこと、オンイヤータイプであること、オープンエア型であることで、
ROSE DISTANT MOUNTAINとアシダ音響のST-90-05を使っている。

あまり話題にならないが、解像の良い好み音で聴かせてくれる中国製のROSE DISTANT MOUNTAINと、
かなり話題になったが、普通にいいと思う日本製のアシダ音響ST-90-05である。

どちらも見た目だけで選んだヘッドフォンだが、カメラもオーディオも見た目の良さが一番大事なのだ。

今は、耳全体を覆うオーバーイヤータイプが主流のようだが閉塞感があって好きではない。
オンイヤータイプでオープンエア型は耳から音が入るようで、
また外部の音も聞こえるので、スピーカーに近い聴こえ方のように思える。

この二つのヘッドフォンの使い分けだが、
DISTANT MOUNTAINは抜けが良く、見通しの良いサウンドなのでポップスやボーカルに、
アシダ音響のST-90-05は中低域に厚みがあり重心も低く、サックスを気持ちよく聴かせてくれるので、
モダンジャズやジャズボーカルを聴くときに使っている。

週に一、二回程度と使用時間も少ないので、5万や10万円もする高級品はいらない。
ワイヤレスでもなく、ノイズキャンセルもないが屋外では使わないので、
このような1万円くらいまでの安価な製品で、自分好みの音が聴けたら十分である。

2025年3月25日

2025年3月23日

オールドレンズとフード

キヤノンSのレンズフード 、ズミクロンのレンズフード 、可変レンズフード

現在オールドレンズと言われるようなレンズは、レンズコーティングがされてないか、
コーティングされていても品質の良いものではなかった。
なので、内面反射が多くコントラストが低くなるので、レンズフードが不可欠だった。

絞りを開放にして逆光で撮ると、見事に白くなってしまうのである。


キヤノンS、キヤノンS、ズミクロン、ズマール、ズマロン、ジュピター

レンズフード はレンズの見た目も変えてくれるので、専用レンズフードが主流だったが、
35mm、50mm、90mmと画角に合わせてフードをズームできる兼用レンズフード もあった。

ジュピターやズマロンやズマールはレンズフード を付けずに撮るほうが、
オールドレンズらしい破綻が楽しめる。

オールドレンズの特性を出すには、レンズフード を付けない方がいいが、
ズミクロンはコントラストも悪くなくて描写もいいレンズなので、
専用フードを付けた方がいいかもしれない。

2025年3月13日

リマスターよりも時代の音

「パラダイス」フィービー ケイツ  1982年

フィービー ケイツ1982年の映画「パラダイス」は、ブルックシールズの1980年の「ブルー ラグーン」と、
1983年の「サハラ」を合わせたような映画、ん?「パラダイス」より「サハラ」の方が後?微妙な公開年。
とにかく海が砂漠、島がオアシスになり、アラブ風の男たちが絡むというアイドル女優映画。

上のビデオは「パラダイス」の主題歌で、80年代の曲としては珍しくバース(歌の前語り)から始まっているが、
このバースは1950年代のスタンダードにはよくみられた。
そしてバース部をビデオゲームのような音に乗せているのは、さすが1980年代らしい

この主題歌が懐かしくて、iTunes ストアからダウンロード購入したが、これが残念なことにリマスター版であった。
オリジナルの音がその時代の音なのに、なぜリマスターとか言って音を台無しにしてしまうのだろうか。

音圧を上げて、メリハリのある良い音に聞こえるようにするためなのだろうが、
音圧を上げるとダイナミックレンジが小さくなり、平坦にな音になってしまう。
音場を広げたり、解像感を上げると音像も変わってしまう。

やはりダウンロードしたリマスター版を聴くと音場が広がりすぎて、ボーカルが奥に引っ込んだように聴こえ、
上のビデオのような、80年代の前に押し出すような音には遠く及ばない。

とりあえず、イコライザーで調整して、オリジナルとリマスターの中間ぐらいにすることができて、
高音から低音までいいバランスで聴けるようになった。

今風の音に仕上げるため、今でもリマスター版がたくさん作られているが、
それよりもオリジナル性、時代の音を大事にして欲しい。

2025年2月24日

x756 * 白い花の咲く頃




 

Fuji X-E4
Leica Summaron 3.5cm F3.5  (1)
Leica Summar 5cm F2  (2, 3)

2025年2月22日

場末のブルース

ミュージック アプリ プレイリスト

  1. 白い夜霧のブルース(レスター・ゴールド楽団)
  2. 黒い傷跡のブルース(アンリ・ド・パリ楽団)
  3. 初恋のブルース  (スチュアート・レンジャー)
  4. 暗い港のブルース (モダン・プレイボーイズ)
  5. 暁のブルース   (ジョルジオ・ガスリーニ)

昭和の場末のバーで流れているようなブルースだが、これがまた病みつきになる。
ムードテナー、ムードトランペットという領域だろうが、少し下品な演奏がたまに聴くのにはいい。

この中で特筆すべきは「黒い傷跡のブルース」だろう。
無名だった作曲家、ジョン・シャハテルの曲だが、演奏するアンリ・ド・パリ楽団というのも怪しげで、
ジョン・シャハテルの別名という説もある。
日本でヒットして、日活映画「黒い傷跡のブルース」で小林旭が歌っているが、
日活映画にぴったりの場末感である。

「暁のブルース」は1961年に公開されたイタリア・フランス合作映画「夜」の挿入曲だが、
マルチェロ・マストロヤンニ、ジャンヌ・モロー、モニカ・ヴィッティという錚々たる出演者にもかかわらず、
「ひまわり」や「死刑台のエレベータ」「太陽はひとりぼっち」のような雰囲気ではなく、
このプレイリストに入るような曲である。

「白い夜霧のブルース」はビリーボーン楽団でもよく知られているが、さすがに上品。
こちらのレスター・ゴールド楽団のほうが場末感がある。
このレスター・ゴールド楽団も怪しげで、いくつかのオムニバスアルバムに名を連ねているが、
詳細はよくわからない。
デクスター・ゴードンやレスター・ヤングというジャズテナーサックス奏者はいるが、、、

「初恋のブルース」はタイトルのように爽やかではない。
ロッカバラード風のバック・クレイトンのトランペットでも知られているが、
スチュアート・レンジャーのテナーサックスの方が少しムーディだ。

「暗い港のブルース」はザ・キングトーンズの歌でも知られるが、こうなるともう歌謡曲である。
オリジナルはモダン・プレイボーイズの早川博二が作曲したインストゥメンタル。
なのでモダン・プレイボーイズのロッカバラードとムードトランペットがいい。

ブルースというタイトルが付いた5曲だけのプレイリストだが、こういう曲はくどいので、
これだけでもお腹いっぱいになる。

2025年2月20日

Canon IXY(APS)

Canon IXY

  • 型式IX240レンズシャッター式オートフォーカス/ズームレンズ内蔵全自動カメラ
  • 画面サイズ16.7 × 30.2mm
  • レンズ構成:6群 6枚
  • 焦点距離24〜48mm (35mm判カメラ換算 30~60mm)
  • 絞り:F4.5〜F6.2
  • オートフォーカス:0.45m~∞
  • シャッター絞り兼用電磁駆動電子制御プログラム式(2秒~1/500秒)
  • 実像式ズームファインダー:倍率 0.31~0.62倍、視野率 82%
  • フィルム装填・給送:完全自動式
  • フィルム巻き戻し:完全自動式、途中巻き戻し可能
  • 電源リチウム電池 CR-2型 1個(バッテリーチェック機能付き)
  • 大きさ:90 × 60 × 27mm
  • 重さ:190g(電池含む)

Canon IXY

無印のキヤノンIXYである。
外装は特殊ステンレス合金SUSで、表面のドット模様もパンチングメタル風で金属感を強調していていい感じだ。
電源ボタンは前面のレンズ右下にあり、中指や薬指でオンオフするのもユニークである。

だが、この初代IXYは「オートリトラクタブル式の超小型スピードライトを内蔵」ということだが、
これが曲者で故障が多いようだ。
このフラッシュは手動ではなく、電源オンに連動してフラッシュが開き、電源オフでフラッシュが閉じる、
というものなので故障しやすいようだ。
この個体もフラッシュが開いたままになっている。


Canon IXY & Canon IXY320

そのため、実質の後継機であるIXY320では固定式の内臓フラッシュとなった。
固定式の方が、堅牢性があり好ましい。


Canon IXYとIXY320とIXY DIGITAL 10の厚み

発売当時は「世界最小のオートフォーカス全自動ズームコンパクトカメラ」ということだったが、
IXY DIGITAL 10と比べると厚みがあるので持ちやすい。
IXY DIGITAL 10はカードサイズという触れ込みで、小さく薄くなっているのでホールドしにくい。

ローライ35も世界最小の35mmフィルムカメラ ということだったが、小さくて持ちにくかったのを覚えている。
カメラのサイズは世界最小よりも適度な大きさがいい。
ライツミノルタCLやフジX-E4が、小型の限界だと思う。


Canon IXYの背面

左上に実像式ズームファインダーがある。
フィルムカメラでは必須のファインダーだが、IXY DIGITAL 10でも光学式ズームファインダーが備わっている。
この光学式ズームファインダーが備わっているのはIXY DIGITAL 110 ISまでで、
その後の機種は省略されているようだ。


IXY DIGITAL 10 & IXY 320 & IXY

IXYは最近、といっても2017年のIXY 210が最終機種のようで、新規開発はされないようだ。
初期のIXY デジタルもIXY フィルムに近い厚みのあるデザインだったが、
この原点のIXYのデザインと特殊ステンレス合金SUSの質感のまま、デジタルカメラとして発売されたら、
欲しくなるかもしれない。
もちろん光学ズームファインダーも搭載して、オールドコンデジのように小型の液晶モニターならなおいいが。

最近のデジタルカメラは無難なデザインのものがほとんどで、冒険をしないのが面白くない。
これはオーディオ機器でも同じで、そのためオーディオやカメラが元気だった頃、
1960年代や70年代の昭和オーディオや昭和カメラが、デザインの良さもあって人気になっているのだろう。

2025年2月11日

2025年1月26日

TRIO KT-7500 AM-FM Stereo Tuner

TRIO KT-7500

[ FM部 ]
  • 受信周波数:76MHz~90MHz
  • アンテナインピーダンス:300Ω平衡、75Ω不平衡
  • 感度(IHF):1.8μV
  • 歪率(400Hz、100%変調):mono:0.1%、stereo:0.2%
  • SN比(100%変調、1mV入力):mono:75dB、stereo:68dB
  • クワイティング感度:mono:3.8μV、stereo:45μV
  • イメージ比:85dB
  • 選択度(IHF):80dB
  • ステレオセパレーション:45dB(400Hz)、35dB(50Hz~10kHz)
[ AM部 ]
  • 受信周波数:520kHz~1605kHz
  • 感度(IHF):18μV
  • 歪率:0.5%
  • SN比(30%変調、1mV入力):50dB
  • イメージ比:60dB
  • 選択度(IHF):35dB
[ 総合 ]
  • 電源電圧:AC100V、50Hz/60Hz
  • 定格消費電力:13W
  • 寸法:W430 x H149 x D376mm
  • 重量:8kg
  • 別売:キャリングハンドル D-7(1組、¥3,000)
  • 発売日:1975年
  • 価格;¥48,000

初めて買ったオーディオがトリオのステレオセットという、チューナーとアンプが一体のレシーバーだったので、
トリオのチューナーはすごく懐かしい。

TRIOは無線機器メーカーの春日無線電機商会の商標で、1960年には社名もトリオに変更されている。
ちなみに、アキュフェーズは、創立者の春日兄弟が1972年にトリオを離れて設立したオーディオメーカーである。

1981年頃にTRIOからKENWOODに変更されたが、これは新しいブランドではなく、
1961年頃から海外向けブランドとして使われていたものだ。
ケンウッドの方が響きも良くオーディオブランドらしいが、やっぱりトリオの方が馴染みがある。

1970年代にはトリオ、サンスイ、パイオニアがオーディオメーカー御三家といわれ、
無線機器を製造していた技術レベルの高さから「チューナーのトリオ」といわれていた。
トリオとサンスイのオーディオ機器は使ったが、なぜかパイオニアは使ったことがない。

このKT-7500は、1975年に48,000円で発売されたFM4連バリコンの中級機種で、
同年に発売されたKT-5500、KT-3300の最上位機種となるが、
フロントデザイン的には、
1977年のKT-7300(FM5連バリコン、59,800円)
1977年のKT-7100FM4連バリコン、39,800円)
の2機種がよく似た系統である。

ここでややこしいのは、TORIO KT-7300が海外ではKENW00D KT-7500として販売されていたことだ。
KT-7300はKT-7100の上位機種なのでKT-7500とは時期的にも異なるが、性能が上で、
フロントデザインがKT-7500とほぼ同じ、リアパネルがKT-7100とほぼ同じという機種なので、
発売時期から見てKT-7500mkIIのような立ち位置である。

海外ではKT-7500として発売できたが、国内ではすでにKT-7500が存在し、
KT-7700もはFM専用機として1976年に発売されていたのでKT-7300になったのだろうか。
とにかく海外のネット記事でKT-7500として紹介されているものは、KT-7300のことが多い。
それと米国仕様のチューナーは受信周波数の帯域が88.0~108.0MHzとなっていて、
日本の76.1~94.9MHzとは異なるので要注意である。


KT-7500のフロントパネル

トリオのチューナーはたくさんの機種があるが、トグルスイッチが使われたKT-7500が、
フロントデザインも含めて一番気に入ったモデルである。
KT-7500はFMが周波数直線型4連バリコン、AMが2連バリコンで、270mmのロングダイヤルスケールである。
パネルは厚みのあるアルミのヘアライン仕上げで高級感があり、削り出しのスイッチや回転ツマミも品質が良い。

サイズは幅430mm、高さ149mmでかなり大きいが、これはアンプなどとサイズを合わせるためだろう。
サイズの割に中はガラガラで半分のサイズでも十分だと思う。

トリオのチューナーは、以前はKT-5000やKT-7000のように木製のキャビネットやサイドウッド、
バックライトで緑や青に光る周波数スケールと、リビングに置いても高級感のあるモデルだったが、
このKT-7500が発売された頃から、キャリングハンドルも付いた通信機スタイルで、
これぞチューナーというデザインのモデルにシフトしている。


KT-7500のフロントパネル 左

左端のトグルスイッチが電源で、オンにすると周波数スケール窓のライトが点灯するが、
バックライト式ではなく、周波数スケール窓の上から4つの電球で照らす方式である。

その右側のツマミがアウトプットレベルで出力音量を調節できるのだが、ガリもなく使えている。
こういうアウトプットレベルはガリの元になるので、ない方がいいかもしれない

周波数スケール上の左側がシグナルメーター、右側がチューニングメーターで、それぞれライトで照明されている。


KT-7500のフロントパネル 中央

中央の大きなツマミがチューニングツマミで、フライホイールが組み込まれているので滑らかに動く。
周波数スケールは上がFM周波数、下がAM周波数で、今はFMの81.8MHzにチューニング指針があるが、
この針は細くて光らないので見にくい。


KT-7500のフロントパネル 右

左側のトグルスイッチがmpxフィルター、右側がミューティングであり、どちらも問題なく機能している。
この機種にはIF帯域切替機能(wide、narrow)は備わっていない。

その右側のツマミスイッチが、AM、FM auto、FM monoの切り替えで、上のインジケーターランプは、
左側がAM、中央がFM、右がstereoである。
FM autoにするとstereoランプが点灯して正常にステレオ受信でき、FM monoでモノラル受信もできている。

AMもNHK、ラジオ関西、朝日放送、毎日放送はノイズも少なく受信できている。


KT-7500のリアパネル 左

背面パネルの左側は、上がFMアンテナの75Ωと300Ωの端子、その右側にはグランドとAMアンテナの端子があるが、
75ΩはF型端子ではなく、ねじ止めの直付けで5CFB同軸ケーブルが接続できる。
いまはアンテナ接続ではなく、75Ωの端子にテレビのケーブルから分岐した5CFB同軸ケーブルを接続している

下側の左は、フロントのアウトプットレベルツマミで調整した音量で出力されるRCA端子で、
これをアンプに接続しているが、ノイズもなく使えている。
中央がFMマルチパス端子、右側がFM det out端子であるが、これらは使うことがないと思う。


KT-7500のリアパネル 右

背面パネル右側は、直付けのAC電源コードとAMアンテナとなっている。
この頃のオーディオ機器の電源コードは細くて取り替えもできなく、普通の電化製品の電源コードのようだった。

AMアンテナは少し引き出し、角度を調整して受信できている。


TRIO KT-7500

もう絶滅危惧種のチューナーだが、このKT-7500にはKENWOODの2015年修理シールが貼られ、
VR SWと記入されているので可変抵抗器の調整とスイッチ類の整備がされているのだろうか。
外装もきれいで機能的にも問題がなかったので、ジャンク品としては程度が良かったと思う。

このようなジャンクのチューナーを選ぶときは、音が出ることと受信感度がいいことが重要なようだ。
自分で修理をするのが目的なら別だが、修理と調整が難しい。

ジャンク品なのでいつ故障するか分からないが、50年も前のチューナーが今でも使えるということは、
この時代の製品クオリティーが良かったからなのだろう。

2025年1月24日

SHOWA #22 * 子供たち

Canon F-1
Canon FD 100mm F2.8
KODAK5063
70's Osaka Japan

2025年1月16日

久しぶりのバリコン式チューナー

TRIO KT-7500 AM-FM Stereo Tuner

最近FM放送の音が懐かしくなって、FM/AMチューナを買った。
シンセチューナーの方がプリセットができてリモコンも使えるので便利だが、あえてバリコンチューナーである。
チューナーは調整メンテが面倒で、需要から見て採算が取れないためか、ほとんどがジャンク品となっている。

FM放送の受信にはアンテナの問題があり、以前に聴いていた時はテレビのアンテナのケーブルを、
FMチューナーに接続して受信していた。
これで問題なくクリアに聴くことができていたのだが、今はテレビのアンテナがなくなってしまった。
ただ幸いなことに、利用しているeo光テレビでFM6局を受信して聴くことができるので、
テレビのアンテナケーブルの信号を分配器で分けて、片方をFMチューナーの同軸アンテナ端子に接続している。

このTRIO KT-7500は、FM放送は受信できるがAM放送は受信できない、その他は不明というジャンク品だったが、
AM放送もNHK、ABC、MBSはバーアンテナを調整すれば受信できた。
ボリュームのガリもなく、他の機能も正常なのでジャンク品としてはいい方だったようだ。

けれどAM放送は送信アンテナなどの設備の老朽化で維持コストの負担が大きいため
2024年2月1日から設備コストがかからないFM放送へ移行や、AM局の廃止が進んでいるようだ。
大阪のAM局もワイドFMへ移行しているので、AM放送の受信はもう重要ではないかもしれない。


TRIO KT-7500 AM-FM Stereo Tuner

チューナーといえばトリオ、FM放送の時報ごとにトリオのCMが流れていたのを思い出す。
TRIO KT-7500は1975年発売のモデルだが、1970年代の入力ソースはレコードプレーヤー、チューナーや、
カセットデッキが主だった。
この頃、FM放送は音楽の情報源でエアーチェックブームもあり、いろいろなジャンルの音楽が混在する放送を、
カセットテープへ録音したものだった。

このシグナルメーターやチューニングメーターを見ながらフライホイールのチューニングダイヤルを回す感触や、
メーターの照明がなんともいえず懐かしく、さらにFM放送独特の厚みのある音も心地いい。

今はFM/AMチューナーでなくても、radikoで聴けるのでそれでもいいが、使いにくさや味気なさもあり、
オレンジ色に輝くほのかな照明を見ながら、音楽を聴けるFMチューナーの良さを再認識するのもいいだろう。