2024年5月23日

Canon IXY 320(APS)

Canon IXY 320

ワンコイン ジャンクのフィルムカメラIXY 320です。
フィルムカメラブームであっても、このIXYはあのAPSフィルムを使うので、
フィルムで写真を撮りたい人は買ってはいけないカメラです。
APSフィルムはもう手に入らないので、たとえ完動品であっても見向きもされないのです。


Canon IXY 320 背面

IXY 320は1999年に価格46,000円で発売され、1996年発売の初代IXYの後継機だそうで、
金属の冷やりとする、いい感触のSUS316ステンレス合金外装のフルフラットデザインのカメラです。

大きさは、87mm x 57mm x 24.5mmで、重さは170g (電池なし) です。
APS(IX240)レンズシャッター式全自動カメラで、レンズは24-46mm F4.2-5.6 (35mm判換算30-58mm) 、
ファインダーは実像式ズームファインダーで倍率は0.33-0.66倍、電源は3Vリチウム電池CR2型1個ということです。

APSのカートリッジフィルムなので、MRC機能で撮影途中に巻戻して別のフィルムに交換しても、
自動的に未露光フレームまでフィルムを送ってくれるのが便利です。
35mmフィルムカメラで、フィルムの途中交換をやったこともありましたが、
カウンター数値をメモしたり、手順を間違えないようにと気を使いました。


Canon IXY 320の角形フォルム

ジャンク品なので外観は汚れていたんですが、クリーニングすると見違えるように綺麗に、
当時のメイドインジャパンの作り込みの良さには感心させられます。

この直線と円で構成された四角いフォルムがいいですね。
カメラボディの曲線や斜めのフォルムは好きではないので、、、


フィルム室とAPSフィルム

電池は入っていたけれど電源が入りませんでした。
このカメラは電池が入ってないとフィルム室の蓋も開かないようです。

カメラより高価な新しい電池を買って入れてみると、電源はオンにはなり、
フィルム室の蓋を開けると、撮影済みフィルムがでてきました。
ジャンク品によくありますね。


ファインダーとアスペクト比の切り替えレバー

ズームファインダーは、あまり大きくはないけれど見やすいです。
ファインダーの横にはアスペクト比の切り替えレバーがあって、
Cがクラシック(APSC)、Hがワイド(APSH)、Pがパノラマです。
デジタルカメラのセンサーサイズAPS-Cは、このAPSCからですね。


レンズ繰り出し

レンズも動き、シャッターも切れてフラッシュも光りますが、フィルムがないのにどうなんだ、
ということですw


Canon IXY 320のメタリック感

このIXY 320は、フィルム仕様のIXYの中ではデザインも質感も優れていますが、
今では飾り物にしかなりません。
これがハーフサイズ版のカメラだったらと思ってしまいます。

2024年5月14日

Canon S 100mm F3.5の絞りリング修理

Canon S 100mm F3.5のレンズユニットを外す

以前、ヘリコイドグリス交換をした後、そのままになっていたCanon S 100mm F3.5の絞りリングを修理してみた。

絞り羽根は正常に開閉しているが、絞りリングが F11ぐらいから硬くなって回らないのである。

何が原因か分からないので、とりあえず分解開してみる。
まず、フォーカスユニットからレンズユニットを外すが、ねじ込まれているだけなので、
絞りリングの部分を持って左に回せば簡単に外れる。


絞りリング固定ネジ

次に、絞りリングを固定している3本のネジを外す。


絞りリングを引く

絞りリングをレンズ先端側に引けば外すことができる。


絞りリングを引き抜く

レンズユニットから絞りリングを引き抜く。


絞りユニットの固定ネジ

写真の中央にあるネジを外すと、絞りユニットを固定しているリングを外せるのだが、
ナメてしまってネジ溝が潰れているので外すことができない。


左右にカニ目の溝

これで終わりかなと思ったが、固定リングにカニ目の溝があったので、これを回してみることにした。


カニ目レンチで回す

以前分解されたことがあるようで、この溝もかなり痛んでいるが、
なんとか左回りに回ったので、少し緩めることができた。


F22の目盛まで回る

確認のため絞りリングをはめて回してみる。
この方法は正しくないと思うが、固定リングが緩んだので少し軽いが絞りリングが、
 F22の目盛まで回るようになった。
軽いのは、おそらくグリス切れだろうが、絞りユニットを外せないのでグリス交換はできない。

ただ、この軽さによって絞りリングを回しても、フォーカスリングが回らないのはいい。
あとは、絞りリングを固定している3本のネジを取り付けて終わりだ。

本当はもっと分解して状態を確認したがったが、ナメネジのため致し方ない。


F22の絞り羽根

絞り羽根もF22まで正しく絞られている。


Canon S 100mm F3.5

以前のフォーカスリングの修理と今回の絞りリングの修理で、
とりあえずレンズの操作は普通にできるようになった。

レンズは曇りやカビもなくて綺麗なので、これで快適に使えそうだ。

2024年5月12日

2024年5月10日

2024年5月8日

2024年5月5日

アストゥリアスの運指

Asturias (Isaac Albéniz) - Alexandra Whittingham

「アストゥリアス」は、イサーク アルベニスのピアノ曲で、これをギター曲に編曲したものですが、
ギター曲の方がスパニッシュ感があって有名ですね。


1弦の7フレットを小指の場合

この曲の運指なのですが、3連符になる17小節目からは2通り考えられるようです。
一つは、1弦の7フレットを小指で押さえ、同時に5弦の7フレットを薬指で押さえ、
3弦の4フレットの人差指へと続く運指です。
上の動画では、この運指で弾いていますね。


1弦の7フレットを人差指の場合

もう一つは最近よく見かける、1弦の7フレットを人差指、5弦の7フレットを中指で押さえて、
4弦の9フレットの小指へ進む運指で、3弦は押さえないので2弦に触れる危険がなくなります。
この運指も最初は押さえにくいのですが、小指を9フレットから10フレットに移動する時は、
少し手首を回転させると楽になるようです。


i、mの場合

次は1小節目からの2弦をどの指で引くかということで、人差指または中指だけで弾くツーフィンガー スタイル、
人差指と中指で交互の弾くというスリーフィンガー スタイルがありますが、
私の場合は中指から始めるスリーフィンガー スタイルが弾きやすいので、p, m, p, i, の繰り返しです。


Asturias - Guitar Lesson + TAB

この動画では、1弦の7フレットを人差指で押さえる運指の弾き方です。
アコースティックギターにナイロン弦を張って弾く時は、弦の間隔が少し狭くなるので、
この運指の方が弾きやすいように思います。

2024年5月2日

パンフォーカスと被写界深度と過焦点距離

ミラーレス一眼カメラとマニュアルフォーカスレンズ

ミラーレスカメラにオールドレンズを取り付けて写真を撮ることが多いのですが、
このようなフィルムカメラ時代のマニュアルフォーカスレンズには、被写界深度目盛が付けられています。
これを使ってパンフォーカスで、ストリートフォトをよく撮ります。

被写界深度とは、ピントが合っているように感じる奥行きのことで、
過焦点距離とは、この距離にピントを合わせると被写界深度が無限遠になる撮影距離です。
そして、過焦点距離の1/2が過焦点距離より手前の被写界深度になります。


パンフォーカス状態のレンズ

パンフォーカスとは近距離から無限遠までピントが合っている状態、つまり被写界深度内に入っている状態です。

実際の撮影で、レンズをパンフォーカスの状態にするには被写界深度目盛を使います。
例えば、このレンズでは絞りを16にセットして、被写界深度目盛の16に距離指標の無限マークの中心を合わせると、
反対側の16のところの距離指標は1.4くらいになっています。
つまり1.4mから無限遠まで、ピントが合ったパンフォーカスの状態になっているということです。

そして、中心指標(三角のマーク)の位置の距離指標は2.8くらいなので、過焦点距離は2.8mということで、
ピント位置から手前の被写界深度の距離1.4mは、過焦点距離の1/2になっています。


絞りF8のときの被写界深度

F8ならば3mから無限遠までの被写界深度で、6mが過焦点距離になります。

これとは逆に、この被写界深度目盛はピントを合わせたところから、
前後どこまでピントが合っているかを確認するときにも使います。
特にレンジファインダーカメラではファインダーで被写界深度を確認できないので、
レンズの被写界深度目盛は重要でした。


35mmフィルムカメラ用のレンズとAPSCセンサーカメラ

では、35mmフィルムカメラ用のレンズをAPSCセンサーのカメラで使った場合、
被写界深度はどうなるのでしょうか。

被写界深度を決める要素は下の3つだけです。
  1. レンズの焦点距離(焦点距離が短いほど被写界深度が深い)
  2. 撮影時の絞り値(絞り数値が大きいほど被写界深度が深い)
  3. ピントを合わせた被写体までの距離(距離が長いほど被写界深度が深い)
つまり、レンズと撮影距離だけで決まるので、センサーサイズは関係ないということで、
APSCセンサーのカメラでも、レンズの被写界深度目盛の通りでいいということです。

よくフルサイズに比べ、APSCやm4/3がボケないと言われるのは、同じ画角(写る範囲)での比較なので、
レンズの焦点距離が異なったり、撮影距離が違ったりするからでしょう。

例えば
  • フルサイズに50mmレンズ
  • APSCに35mm(換算50mm)レンズ
この場合は、同じ絞り値で同じ距離から撮影すると、どちらも同じ50mmレンズの画角になりますが、
APSCは焦点距離が35mmのレンズなので、フルサイズの50mmレンズよりも被写界深度が深くなります。

  • フルサイズに35mmレンズ
  • APSCに35mm(換算50mm)レンズ
この場合は、APSCの焦点距離35mmのレンズは、フルサイズの35mmレンズと同じ画角に合わせるには、
被写体から離れて撮る必要があるので被写界深度が深くなります。

センサーサイズでは影響を受けることはなく、センサー上ではフルサイズもAPSCもレンズの焦点距離、
撮影時の絞り値、被写体までの距離が同じなら同じ被写界深度ということですね。


絞り11で被写界深度F8を使う

被写界深度には、もう一つ許容錯乱円という基準があります。
ピントが合っていることにするボケの大きさの基準で、この大きさ以下が被写界深度内となります。

許容錯乱円の大きさは視力1.0の人が、ポストカードサイズ(対角18cm)に拡大した写真を、
45cm離れて見ることを基準としているようです。
このポストカードサイズに拡大する場合、フルサイズよりもAPSCの方が拡大倍率が大きくなるので、
許容錯乱円は小さくなります。

許容錯乱円の大きさはフルサイズで 0.03 mm、APS-C で 0.02 mm、マイクロフォーサーズなら 0.015 mm 、
35mmフィルムの場合は0.026mmが一般的らしく、フルサイズとAPSCに差は1絞り分くらいです。
なので、35mmフィルムのレンズをAPSCで使うなら、半絞りくらい絞った方がいいのかもしれませんが、
あまり気にしていません。

それよりも、オールドレンズでは、無限遠が正確に出ているか、指標が正しいかということもあるので、
使用レンズで撮影してみて、自身が納得できるパンフォーカス状態を確認することですが、
デジタルカメラだと簡単なので、それが一番ですね。