カメラレンズの初期の構成は3群3枚のトリプレット型と2群2枚のガウス型でしたが、
トリプレット型をもとに3群4枚のテッサー型が開発され、
1931年には同じくトリプレット型をもとに3群6枚のゾナー型が開発されました。
当初はF2.0のコンタックス用5cmレンズが作られ、1932年には3群7枚でF1.5も作られています。
このゾナー型は、空気との接触面を少なくするためレンズを貼り合わせるという方法で、
レンズの枚数は多いけれど群数が少ないという構成ですね。
レンズコーティングがない時代では4群6枚のダブルガウス型より解像が優れていて、
レンジファインダーカメラの標準レンズとして人気がありました。
Carl Zeiss Vario-Sonnar T* 80-200mm F4はゾナー名が付けられていますが、
Vario-Sonnar はズームレンズに付けられた名称で、レンズ構成とは関係なさそうです。
Sonnar 5cm F2をコピーしたのが「Jupiter-8 50mm F2」で3群6枚のロシア製ゾナーです。
このレンズは初期の頃は、ツァイスの部品やショット製のガラスを使っていたようですが、
その在庫がなくなるとロシア製の部品とガラスになるので、同じ性能ではないかもしれません。
4群6枚ダブルガウス型
Sonnar 5cm F2といえばSummar 5cm F2で、このレンズはライツがSonnar 5cm F2に対抗して開発したのですが、
4群6枚のダブルガウス型の設計だったのと、ガラス材の問題から失敗だったと言われています。
ライツにはレンズを貼り合わせる技術が不足してたので、ゾナー型は難しかったのでしょうか。
結局、Sonnar 5cm F2に対抗できるレンズは、Summitar 5cm f2を経て、次のSummicron 50mm F2になりましたが、
今はズマールの不完全さがオールドレンズらしくて人気があるようです。
CONTAX G Sonnar T* 90mm F2.8
バックフォーカスが短いゾナー型は、一眼レフではミラーに干渉するので、望遠レンズとして使われるようになり、
一眼レフの標準レンズは、レンジファインダー機では評価の低かったプラナー型がバックフォーカスが短いことと、
レンズコーティング技術が進んだことで採用されることが多くなりました。
このCONTAX G Sonnar 90mm F2は、CONTAX G1というミラーのないカメラの望遠レンズですが、
レンズ構成は4群5枚とゾナー型ではないですね。
微妙にゾナーから外れているレンズたちでした。
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