2024年7月2日

Canon F-1とFL50mm F1.8 I

Canon F-1 + FL50mm F1.8 I

Canon F-1時代のレンズはFDレンズなので、このFL50mm F1.8 I は一世代前のレンズになりますが、
FLレンズのマウントはFDレンズと同じスピゴットマウントなので、F-1に取り付けて使うことができます
ただ、F-1は開放絞り露出測光で使うのが前提なので、絞り込み(実絞り)測光のFLレンズは使い方が異なります。


左:FLマウント 右:FDマウント

FLマウントとFDマウントを比べてみると、FLマウントはレバーが一つだけでシンプルな構造です。

FDマウントのレンズはTTL絞り開放測光なので、左側にはカメラの露出計にレンズの開放F値を伝えるピンと、
プリセット絞り値を伝えるレバーが付いていて、下部には自動絞りレバーがあります。

絞り込み測光のFLマウントの方は、下部にある自動絞りレバーだけですね。


F-1の絞り込み露出

通常、F-1の露出計は開放絞り露出測光になっているので、
FDレンズでは、開放絞りでピント合わせや露出調整をして撮影できますが、
FLレンズは、開放絞りで露出調整ができないので、F-1の絞り込みレバーをレンズ側に押し、
露出計を絞り込み露出測光に切り替えて露出調整をします。

上の写真はF-1を絞り込みロックの状態にしていますが、絞り込みレバーをレンズ側に押すだけでも、
絞りが絞られ露出計が正しく動作します。

この絞り込みロックを使う時は、ファインダーを覗いたままで人差し指はシャッターボタンに置き、
薬指でロックレバーをLの位置に動かし、中指で絞り込みレバーを押し込みロックし、
絞り込みロックを解除する時は、薬指でロックレバーを戻すという使い方をしていました。


FL50mm F1.8 Iの絞り込みリングのセット

露出測光時の絞り込みはF-1側から行うので、レンズの絞り込みリングの白い点は中央にしておきます。
銀色の絞りリングを回して露出を決めれば、F-1の絞り込みレバーを戻し、
絞り開放でピントを合わせてシャッターを押せば自動絞りで撮影できます。
また、絞り込んだままでピント合わせが可能なら、絞り込みレバーを戻さず撮影しても構いません。

ペンタプリズムとクイックリターンミラーと自動絞りが完成して、
レンジファインダーカメラよりも優位に立った一眼レフですが、FLマウントレンズはその時代のレンズで、
さらにTTL開放露出測光が完成した時代のレンズがFDマウントレンズです。
なので、全て絞り開放の状態で操作できるFDレンズに比べると、FLレンズは露出調整が面倒です。
F-1では余程のこだわりがなければ、FDレンズを使うほうがいいですね。

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