Forever Saul Leiter |
2020年1月9日~3月8日まで開かれる予定だった「永遠のソール・ライター」展は、
新型コロナの影響で終盤は打ち切りとなってしまったようだ。
「ソールライターのすべて」展が開催されたのが、3年ほど前なのに、
今回また開催されたということは人気があるからだろう。
Deborah:Forever Saul Leiter |
前回の「ソールライターのすべて」では、妹のデボラの写真はなかったが、
こちらには収録されていて、デボラはライターが写真を始めた頃の最初のモデルであったそうだ。
デボラを撮った写真は100点ほど発見されていて、ここでも1940 年代の写真が30頁にわたって収録されているが、
中でもこの作品が印象的だ。
このデボラの写真を見て、同じ名前のヒロインが登場する映画「Once Upon A Time In America」を思い出したのだが、
この時代のユダヤ系女性の名前としては多いのだろうか。
ソールライターは1952年にイーストヴィレッジ東10丁目に移転し、そこで写真を多く撮るのだが、
その南側はユダヤ移民居住区のローワーイーストサイドのシナゴーグを中心とするゲットーで、
川を挟んで「Once〜」のロケ地となったブルックリンのウィリアムズバーグという位置関係になる。
そばかす:Forever Saul Leiter |
「Forever Saul Leiter」でも、ソール ライター構図は健在だが、あまりにも印象が強すぎて、最近は避けてしまうこともある。
そのためか、カラー作品ではなく22頁から40頁にかけてのユダヤ移民のゲーットーを思わせる、
モノクロームの写真に惹かれるのだ。
ソール・ライターといえば期限切れのポジフィルムで撮った、独特な構図と色表現のカラー作品が注目されるが、
それらはリアリズムを求めたものでなく、絵筆をカメラに置き換えたアートのようにも感じられる。
だが、この少女の攻撃的な眼差しや、デボラの上目づかいに訴えるような眼差しは、別な面を見せてくれ、
このようにストレートに被写体に向かったモノクロ作品も魅力的である。
2 件のコメント :
こんばんは。
確か以前、このブログで知って伊丹に見に行きました。
今回は中止ですか、残念ですね。
こんばんは。
このブログで、伊丹に見に行かれたんですね。
渋谷のBunkamuraでの展覧会なんですが、
途中で中止になったようですね。
京都の美術館「えき」での展示も中止になりました。
コロナの影響は大きいですね。
コメントを投稿