2018年5月12日

SME 3010R トーンアーム

SME 3010R

  • 型名:3010R
  • 型式:ユニバーサル型 スタティックバランス・トーンアーム
  • 実効長(軸受けの中心から針先まで):237.0mm
  • スライドベース中心からターンテーブル中心まで(L):222.0mm
  • オーバーハング調整範囲:±12.7mm
  • 取付面からの高さ調整範囲(H):最大:79.3mm、最小:60.3mm
  • 取付面からターンテーブル上面までの高さ調整範囲(T):最大:41.3mm、最小:27.0mm
  • 取付に必要な深さ(D):47.6mm
  • メインウェイト調整に必要な間隔(R):82.5mm
  • ターンテーブル上面とダストカバー内側との間隔(C):44.5mm
  • 2分割メインウェイト(カートリッジの重量/シェルを含む重量):
    13g~26g/21~34g(フロントウエイト使用)
    1.5g~14g/9.5g~22.g(フロントウェイト分離)
  • 針圧調整:0〜5g
  • アーム材質:ステンレス鋼

トーンアームにはストレートタイプ、S字タイプ。J字タイプがあるが、
SME 3010RはJ字タイプで、バランスのとれた美しいトーンアームである。


カタログ

1959年発売の幻の銘トーンアーム3012を超えるという目標で開発されたトーンアームで、
3009-R/3010-R/3012-Rの3種類が製品化された。
ショートタイプが3009R、ロングタイプが3012R、3010Rはその間の長さになる。

  • メインウェイト部のシャフトに平行移動することにより、正確さを高めた新ラテラルバランス機構を採用。
  • パイプアームの材質には高剛性ステンレス鋼を採用。
  • 2分割メインウェイトの採用で、あらゆるカートリッジのセッティングが行える。
  • 水平バランス調整にはリードスクリュー方式を採用。
  • カーボンファイバーを用いたナイフエッジを採用。
という特徴を備えている。


SME 3010R + Ortofon SPU Classic G

トーンアーム3012はオルトフォンのSPUのために開発されたのだが、
その後カートリッジの軽量化に沿ってトーンアームも変化してきた。
その後、原点に帰って自重31gのオルトフォンSPUをカバーするトーンアームとして開発された。




3010Rの性能を最大限引き出すには、適正な調整が欠かせない。
  1. 水平バランスの調整
  2. 針圧の調整
  3. ラテラルバランスの調整
  4. 高さ調整
  5. カートリッジの角度調整
  6. オーバーハング調整
  7. インサドフォースキャンセラー調整
毎回することではないが、これだけの調整を必要とする。


針圧調整

針圧は5gまで調整でき、ウエイロッドの短い目盛は0,25gで長い目盛は1gなので、
先端の長い目盛で5gの針圧になる。


インサイドフォースキャンセラーレバー

滑車を使って、糸でウエイトを吊り下げるインサイドフォースキャンセラーも面白い。
インサイドフォースキャンセラーレバーに付けられている目盛は、針圧に対応していて1目盛が0.25である。
糸の先端の輪を針圧にあった目盛の溝にはめる。




針先が30cmレコードの最外周の音溝にあるときに、
吊り下げ糸がインサイドフォースキャンセラーレバーに対して90度になるように調整する。

アームのアップダウンはアームリフターレバーで行うが、オートリターン機能などはない。
全てマニュアル操作だ。




このSME 3010Rのような機械仕掛けの構造美は、フィルムカメラの仕掛けに通じるものがあって、大いに惹きつけられる。
今は3000シリーズを引き継いでSERIES M2となっているが、やっぱり3000シリーズのほうに精密さを感じる。

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