2019年7月16日

ミノルタスカイというカメラ

ミノルタスカイ

  • 名称:ミノルタスカイ
  • 型式:35mm レンジファインダーカメラ
  • 画面サイズ:24 x 36mm
  • レンズ マウント:3枚爪バヨネットマウント(口径21mm)
  • シャッター:2軸式布幕フォーカルプレーンシャッター
  • シャッター スピード:1〜1/1000秒・B(無段階)
  • ファインダー:連動距離計二重像合致式、倍率 等倍、視野率 85%、
           50mmレンズ視野枠、パララックス自動補正
  • 距離計:基線長62mm
  • 露出計:なし、シャッターダイヤル連動LV方式露出ガイド
  • フィルム装填:裏蓋、一部底蓋開閉式
  • フィルム巻き上げ:レバー式、小刻み巻き上げ可、巻上げ角180度
  • フィルム巻き戻し:巻き戻しボタン、クランク式
  • フィルム カウンター:自動復元式
  • セルフタイマー:2.4、8、15秒の長時間露出可
  • シンクロ接点:X、FP
  • 交換レンズ:スーパーロッコール50mm F1.4、25mm F3.5、135mm F2.8


ミノルタスカイは、ライカM3に対抗すべく1957年に完成したレンジファインダーの試作機であり、
スカイという名称は社内での仮称で、これをベースにした高級機と普及機を開発する予定だったようだ。


ミノルタスカイと交換レンズ

この四角いファインダーと丸い距離計窓がキヤノンVI Lを連想させるが、
最後までL39マウントだったキヤノンと違ってスカイはバヨネットマウントである。
ミノルタ独自のバヨネットマウントだが、L39レンズを取り付けるアダプターも用意されていた。

スカイにはユニークな機能も備わっている。
シャッターダイヤルをBにセットして、セルフタイマーを下部に印字されている2, 4, 8, 15の何れかの数字に合わせると、
その数字の長時間露光ができる。
これは14年後に発売されたニコンF2のセルフタイマーと同じ機能だ。

そして、この頃に流行していたライトバリュー方式(LV)も取り入れられている。
シャッターダイヤルの横に絞りの数字とシャッターダイヤルに連動するLVの数字があるので、
例えば単体露出計で測ったLVが14で、レンズの絞りを5.6にセットしてあれば、
シャッターダイヤルを回してLV数字の14を絞り数字の5.6に合わせれば、適正露出のシャッター速度がセットされたことになる。
またシャッター速度を先に1/250と決めた場合は、LV数字が14の位置にある絞り数字8をレンズの絞りにセットすればいい。


「ミノルタスカイ」から「ライツミノルタCL」へ

この頃は1955年にミランダT、1957年にアサヒペンタックスSP、1959年にニコンFとキヤノンキヤノンフレックスが発売され、
各社とも一眼レフへと大きく舵を切っていた。
ミノルタも創業者の田島一雄がアメリカでの宣伝から帰国した後、発売間近だったスカイの開発を断念して、
一眼レフの開発に注力し1958年にSR-2を発売している。
その後スカイの簡略版であるミノルタ35IIIを1958年に試作したようだ。

こういうことで発売されず、不完全燃焼だったレンジファインダーカメラだったが、
16年後の1973年にライツとミノルタの共同開発という形で、ライツミノルタCL / ライカCLを誕生させたのは、
スカイという自信作を断念せざるを得なかったという悔しい思いがあったのかもしれない。
その後、1981年にライツミノルタCLの後継機で、ミノルタ単独開発となるCLEを発売して、
ミノルタのレンジファインダーカメラは終焉を迎えた。

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