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A Photographer Found |
ヴィヴィアン マイヤーの写真集は幾つか出版されているが、この写真集「A Photographer Found」は大判(27 x 32cm)で、
288ページと写真点数も多くずしりと重い。
モノクロプリントも温黒調に偏ってなく、綺麗な仕上がりだと思う。
セルフポートレイトが所々に散りばめられ、後半にはカラープリントも含まれていて、
オールインワンの一冊だろう。
写真の区切りでオレンジページが使われているのは、気になる人もいると思う。
特にモノクロ写真の間のオレンジページはキツイ感じがする。
写真のレイアウトでは、このような組み合わせで並べられているものもあり、よりヴィヴィアン マイヤーらしさを感じられて面白い。
こういう左右ページの写真の組み合わせは他のページにも見られる。
右側は好きな写真の一つであるが、このように左ページが同じテーマ? で組み合わされている。
好きな俯瞰写真なので、何だか親近感がわく。
ローライフレックスでハイアングルは撮りにくいと思うが、プリズムファインダーを使っているのだろうか。
それとも、ノーファインダーか。
ヴィヴィアン マイヤーの写真は人の表情や仕草を撮ったものが多いが、
セルフポートレートを除けば、右のように影を捉えたものは少ないのではないか。
ヴィヴィアン マイヤーの写真の中でも、この写真が一番好きなのだが残念ながら、この写真集には入っていない。
これは「ENTREPOT」と書かれた看板があるので集積場か倉庫の前なのだろう。
子供が手に紐のようなものを持って走り回っている。
最初は風船かなと思ったけれど、それにしては紐が太いように思うが、どうなのだろう。
この紐のようなものは、フレームの外に揺れながら伸びている。
このように収められていない好きな写真は他にもあるが、ヴィヴィアン マイヤーのオフィシャルサイトにある、
STREET1〜5の中の気になった写真も多く含まれている。
写真集の後半に35mmで撮ったカラー写真が点在するが、やはりローライフレックスで撮ったモノクロ写真が好きだ。
ヴィヴィアン マイヤーはRolleiflex 2.8CやRolleiflex 3.5Fなどを使っていたようなので、
撮影レンズは80mmF2.8のレンズと75mmF3.5のレンズである。
その対角線画角は80mmが52度、75mmが55度で、35mm判レンズの焦点距離に換算すると、
80mmが44mm、75mmが41mmに相当する。
この画角が自然な日常感を与えているのだろう。
80mmは35mm判換算で44mmと少し広角だが、50mmの標準レンズに近い。
ちなみに35mm判は、ライカIIIcやライカII型も使っている。