2017年1月25日

NOOKY-HESUMの修理

LEICA NOOKY-HESUM

名称:NOOKY-HESUM(ヌーキーヘズム)
マウント:L39
ヘリコイド:回転式
倍率:1:6.5〜1:17.5
近接距離:45cm〜1m
レンズ取付部:3本爪バヨネット
対応カメラ:Leica II~IIIa用又はIIb~IIIf
対応レンズ:Summitar 5cm・Summar 5cm・Hektor 5cm
製造年:1938年

バルナックライカ用のNOOKY-HESUMはレンズとボディの間に入れるヘリコイド付き中間リングのようなもので、
最短45cm程度まで寄ることができる。

このNOOKY-HESUMは小窓なのでLeica II~IIIa用である。
Leica II、III、IIIa用はパララックス補正窓の内寸が10.5mm×17mmで、
Leica IIIb、IIIc、IIIf用はパララックス補正窓の内寸が13mm×18.5mmのようである。
Leica IIIcなどはLeica IIIよりも距離計窓やファインダー窓が少し大きくなっているので、2種類作られたのだろう。


表面の3本のマイナスネジ

これはパララックス補正が動作しないということを承知で手に入れた。
本来、ヘリコイドの繰り出しに応じて、パララックス補正の枠が向かって右と上から現れるのだが変化がない。
ミラーレスカメラで使う予定だったので、これでもよかった。

けれど、Leica III (D3) が手に入ったので、これを使ってみたくなって修理をしてみた。
構造上、おそらくバネを使っていると予想したが、その通りであった。


ヘリコイド外周面の段差

ヌーキーのパララックス補正枠はヘリコイドの回転によって移動するのだが、これは簡単な構造で、
パララックス補正窓に接するヘリコイドの外周面に、テーパー状の段差が付けられていて、
繰り出すときのヘリコイドの回転によって、その段差が大きくなるのでバネに押された補正枠が押し出される。
逆に繰り出し量が少なくなると、段差が小さくなるので補正枠を押し込むようになる。


パララックス補正窓を分離

分解を始める。
まずは、パララックス補正窓を本体から取り外すことだが、これは前面の3本のネジを外せば取れる。


裏カバーを外す

取り外したパララックス補正窓の裏側の向かって左端の2本のネジを外す。
次に右端だが、これはネジではなくてナットになっているので、ラジオペンチなどで挟んで回せば簡単に外れる。
これで裏カバーを外すことができる。

中には補正用のプレートがあり、向かって左上の角にねじりバネが取り付けられている。
これは切れているように見えるが、本来は輪状に繋がっているのだろうか。
よくわからない。
今回は少し曲げてテンションを加えることにした。


最大繰り出しでの補正枠

これでバネに押され、ヌーキーの繰り出しに応じて補正枠が出るようになった。
向かって右側と上に少し見えているのが補正枠で、これで最大量である。

修理が終わって組み立てる時に気づいたことだが、パララックス補正窓の取り付けには注意が必要で、
向かって右端のネジを強く締めて取り付けたため補正枠が動かなくなった。
これは前枠で補正枠が圧迫されたためだ。
もし手持ちのヌーキーで補正枠が動かないような時は、このネジを少し緩めてみてもいい。
案外動くようになるかもしれない。

6 件のコメント :

count4 さんのコメント...

古い機械とか、
自分で修理メンテが出来る方でないと
持つ事ができませんね
なんでもマメにお遣りになりますね〜

Blues Walk さんのコメント...

こんばんは。
70年や80年前のカメラアクセサリーは、
不具合が出ますね〜
まぁ、手が出せるのは、
失敗しても被害の少ないものだけですよ(笑)
こういうものが、未だに使われているのは、
カメラの世界ならではですね。

れもん さんのコメント...

こんばんは^^
こんな修理までされるんですね~
すごいです。
私なんか、文章を理解するだけでも一苦労。
何度も読み直して、やっと理解ができました(汗)

Blues Walk さんのコメント...

こんにちは。
時間のある日は寒くて、
写真を撮りに行けないので暇つぶしですよ。

なん度も読み返していただけましたか。
文章、わかりにくいですね(笑)
このアクセサリーを手に取ってみると、
わかりやすいのですが、文章だけでは難しいです。
分解しているときはブログに載せるつもりがなかったので、
写真を撮っていいないのですが、
写真があったほうが分かりやすいので撮り直してみたいです。

れもん さんのコメント...

こんばんは^^
写真を追加していただいたんですね!
この方が断然わかりやすいですね (^_-)-☆
特にバネの形状がわかったのが大きいです♪

Blues Walk さんのコメント...

こんにちは。
もう一度分解して撮り直してみました。
やっぱり写真があったほうが分かりやすいですよね。
「百聞は意見に如かず」です(笑)

本当にビスで止められたバネだけで補正枠が動く、
シンプルな構造ですね。
表側に見えているのが、これらのビスの先端だということも、
よく分かります。