2024年9月12日

2024年9月7日

2024年9月5日

モダンジャズ名盤

スイングジャーナル別冊

スイングジャーナルのジャズ名盤本である。
内容はというと毎度同じで、記載されているアルバムや紹介記事も変わり映えしない。

これが発売された当時でも、ウンチク、エピソードなどは出尽くしていて、目新しいものはないので、
こういう本は1冊あれば十分だが、初めてジャズを聴こうとしている人には必要な資料となるだろう。


ジャズ ヴァイナル レコード

レコード棚から4枚取り出して、名盤を並べてみた。

左上は名盤の常連「Somethin' Else」
シャンソンの「枯葉」をハードバップに展開。
テーマを演奏して各パートがソロを取り、最後にテーマを演奏するという、
典型的なハードバップ スタイル。

Side 1
1. Autumn Leaves     10:55
2. Love for Sale     7:01
Side 2
1. Somethin' Else     8:15
2. One for Daddy-O     8:26
3. Dancing in the Dark     4:07
  • Cannonball Adderley (alto saxophone)
  • Miles Davis (trumpet)
  • Hank Jones (piano)
  • Sam Jones (bass)
  • Art Blakey (drums)

右上はジャケ写で有名な「Cool Struttin'」
事務職員の女性を何度も歩かせて撮ったといわれ、ジャケ写だけでなく内容も秀逸。
これも典型的なハードバップである。
ハードバップはモダンジャズの中でも聴きやすいスタイルだ。

Side 1
1. Cool Struttin'     9:23
2. Blue Minor     10:19
Side 2
1. Sippin' at Bells     8:18
2. Deep Night     10:19
  • Sonny Clark (piano)
  • Art Farmer (trumpet)
  • Jackie McLean (alto saxophone)
  • Paul Chambers (bass)
  • Philly Joe Jones (drums)

左下は「Blues Ette」
トロンボーンの名盤で、これもジャケットがいい。
モダンジャズでは、トロンボーンはサックスやトランペットに埋もれがちだが、
このアルバムで聴くと良さが分かる。

Side 1
1. Five Spot After Dark     5:18
2. Undecided     7:09
3. Blues-ette     5:31
Side 2
1. Minor Vamp     5:12
2. Love Your Spell Is Everywhere     7:07
3. Twelve-Inch     6:28
  • Curtis Fuller (trombone)
  • Benny Golson (tenor saxophone)
  • Tommy Flanagan (piano)
  • Jimmy Garrison (bass)
  • Al Harewood (drums)

右下は「Midnight Blue」
ギターの名盤、ピアノに埋もれがちなギターだが、これはピアノレスにしてコンガを入れたのがいい。
ジャズギターはあまり聴かないが、これはブルージーで好きな一枚である。

Side 1
1. Chitlins con Carne     5:30
2. Mule     6:56
3. Soul Lament     2:43
Side 2
1. Midnight Blue      4:02
2. Wavy Gravy     5:47
3. Gee, Baby, Ain't I Good to You     4:25
4. Saturday Night Blues     6:16
  • Kenny Burrell (guitar)
  • Stanley Turrentine (tenor saxophone)
  • Major Holley (bass)
  • Bill English (drums)
  • Ray Barretto (conga)

この4枚のうち3枚がブルーノートで、やっぱりブルーノートに名盤が多いのかも。

これらのアルバムでピアノ、トランペット、サックス、トロンボーン、ギターのジャズが楽しめるのと、
難解な演奏ではないので、これからジャズを聴こうとしている人にはお勧めのアルバムである。

2024年9月3日

SEVENTH AVENUE SOUTH

SEVENTH AVENUE SOUTH  (Vinyl)

このジャケットに惹かれて買ってしまう一枚だが、南佳孝のトップアルバムだと思っている。
7作目のアルバムでSEVENTH、南 佳孝の南で SOUTHということらしいが、
静かな夜にヴァイナルレコードで聴きたい大人のアルバムである。

ジャケットの絵はエドワード ホッパーの「夜更かしの人々 Nighthawks」で1942年の作品だ。
ホッパーの作品はストリートフォト、スナップフォトを見ているようで、説明しすぎない、余白を作る、
大胆な構図というように写真的であり、また都会の孤独を感じさせてくれるので、
このアルバムコンセプトに合っていると思う。

このアルバムは1982年にリリースされた初のN.Y録音アルバムで、レオン ペンダ―ヴィスがアレンジを担当、
フュージョン、ジャズのミュージシャンを集めて制作したということだが、
ジャズということではなく、ジャジーな曲風という感じである。

サンボーンのアルトサックスのソロから入る一曲目の「Cool」でJazzyな空間に刺激され、
名曲「Scotch and Rain」で都会の夜に引き込まれていく。

ただ、ラストの「Chat Noir(黒猫)」がトニー レヴィンのアレンジなので少し異質。
「Sketch」で終わっていてもいいが、、、

このようなことは、大瀧詠一の「A LONG VACATION」でも気になった。
ラスト曲の「さらばシベリア鉄道」で、それまでは夏のイメージだったのが、急に酷寒のシベリアになる。
前曲のラストで拍手と手拍子を入れて、アンコールの体裁をとっているが違和感を感じた。
この「SEVENTH AVENUE SOUTH」では手拍子の代わりに「Sketch」で切り替えをしているのだろう。

「モンローウォーク」、「スローなブギにしてくれ」、「スタンダードナンバー」、「ブルーズでも歌って」
のようなヒット曲はないが、バランスの取れた、渋い佳曲揃いで気持ちの良いアルバムだ。

南佳孝のアルバムをヴァイナルレコードでというなら、真っ先にお勧めしたい一枚である。