2023年3月21日

オーディオケーブル沼

オーディオケーブル

カメラの世界にレンズ沼があるように、オーディオの世界にはケーブル沼があるのかも。

オーディオの音はほとんどスピーカーで決まると思うのですが、ケーブルで音が変わるとよく言われます。
それはダンピングファクター(DF)が影響しているらしくて、
アンプ側から見たDFはスピーカーのインピーダンスにスピーカーケーブルのインピーダンスが加わるので、
ケーブルによってDFが変わるためだということらしいです。
けれどソリッドアンプのDFはかなり高いので、ケーブルのインピーダンスが影響するのでしょうか。
あまりこのような技術的なことは詳しくないので良くわかりませんが、、、

オーディオ用ケーブルには驚くような高価格商品がありますが、
見た目がが立派なオーディオ機器は音がいいと感じるのと同じように、
外観が立派で難しい技術仕様のケーブルはいい音のように感じさせるようなプラセボ効果があるのでしょうか

30年ほど前はケーブルといえば日立のLC-OFCか古河のPCOCCと言われるように、
単結晶状高純度無酸素胴で小数点以下の9の数を競っていましたが、今はこれらは製造されていないようです。
上の画像にも30年前のLC-OFCとPC-OCCのケーブルがありますが、いろいろケーブルを渡り歩いた末、
当時使っていたサンスイのアンプにはLC-OFCが合っていたので、それを使っていました。


RCAピンケーブル

一番左は「オーディオテクニカ AT6110 PCOCC ケーブル 」でケーブルには方向性は表示されていませんが、
ケーブルに書かれている文字の書き始めから書き終わりに信号が流れるように結線するのが一般的です。
  • OCC法から生まれた単結晶状高純度無酸素胴を導体に採用
  • 絶縁材には振動防止材強化ポリエチレンを使用
  • 24K金メッキ処理、非磁性体真鍮削り出し精密プラグ
  • スポット溶接による無ハンダ処理
ということでした。

左から2番目は「日立 SAX-112 LC-OFC Interconecting Cable」で
こちらも単結晶の無酸素銅ですが、信号の流れる方向に沿ってケーブルに矢印が印刷されています。
  • 信号導体、シールド胴体ともLC-OFCを使用
  • ピンプラグのコンタクト部にもOFCクラス1を使用
  • ノイズ対策のためケーブルに方向性を表示
  • プラグとケーブルはスポット溶接

左から3番目は「日立 QAX-112 LC-OFC class1 Interconnecting Cable」で
  • 純度99.996%以上のOFCから、さらにガス成分を減少させたOFCクラス1を使用
  • ピンプラグのコンタクト部にもOFCクラス1を使用
  • ノイズ対策のためケーブルに方向性を表示
  • プラグとケーブルはスポット溶接
ということです。

左から4番目は最近購入した「モガミ 2534 RCAピンケーブル」で
ケーブルはMOGAMI 2534、プラグはREAN/NEUTRIK NYS352G、ハンダはKR-19RMAとなっています。

5番目はオーディオテクニカのフォノケーブルで、かなり古いものです。


オーディオテクニカ PCOCC SPEAKER CABLE AT6120

30年ほど前の「オーディオテクニカ PCOCC SPEAKER CABLE AT6120」で、
線材はPCOCC:Pure Copper by Ohno Continuous Casting process(単結晶状高純度無酸素銅)です。
このケーブルは4芯並行型で、低音用と高音用に径の異なる導体が用いられていて、
内側が高音用、外側が低音用ですが、高音用と低音用を寄り合わせて使っていました。

サンスイのアンプとJBL4312Aでこのケーブルを使っていときは、引き締まったボリューム感のある低音と、
滑らかな高音、ハリのある中音とバランスよく鳴らしてくれていました。


左からBELDEN 8470、日立 SAX-112、BELDEN 88760

5ヶ月ほど前からケーブルを交換し始めて、今のアンプへの接続状態です。
スピーカーケーブルは、「オーディオテクニカ PCOCC SPEAKER CABLE AT6120」が、
輪郭のぼやけた音に感じ始めたのと、線材が太いのでアンプのプッシュ式コネクタに差し込みにくいので、
BELDEN スピーカーケーブル 8470」に替えてみました。

30年前のオーディオテクニカの AT6120が、ぼやけた音に感じるようになったのは、
ケーブルが劣化したのではなく、自分の耳が劣化したのでしょう。
特に高域の周波数帯は年齢によって聞こえ方が変わるので、、、

BELDEN 8470はETP高導電率錫メッキ銅撚線で、シースカラーが白と黒の捻り線になっていて、
シースにはBELDENなどの文字はなく、極性や方向性はありません。
これの5mのものを半分にして2.5mで使っていますが、ケーブルには「音の焦点」なるものがあるらしく、
8470は3〜4mが焦点、8460は1〜2mが焦点などと言われますが気にしていません。
ゲージは16AWGなので、アンプのプッシュ式コネクタにもきっちり入ります。

取り替えた最初の印象はAT6120に比べて重心が高く(高域より)感じましたが、
その分低音がタイトになってぼやけた感じがなくなったのがよかったです。

その後2ヶ月ほど聞いていると高音も落ち着いてきて、バランスがよくなったように感じます。
これはよく言われるケーブルのエージングが進んだのか、8470の音に慣れたのかよくわかりません。
これもプラセボ効果でしょうか。

BELDEN 8470で鳴らしている間に、AT6120と8470の中間ぐらいで再生できないかと、
イメージだけで銅クラッドアルミニウムの「MONSTER スピーカーケーブル ME-S16」を購入したのですが、
今のところ8470で良さそうなので、ME-S16は使わずに眠っています。

他にもフォノイコライザーとアンプを接続しているRCAケーブルを「モガミ 2534 RCAピンケーブル (1m)」
に変えてみたのですが、全体に大人しすぎて物足りないのです。
そこでまたベルデンです。
「RCA ケーブル BELDEN 88760 (1.0m)」に変えてみました。
ケーブルはBELDEN 88760、プラグはNYS373、ハンダはKESTER44で赤色の細くて固いのケーブルです。
このケーブルも高域が明瞭でクリアな元気の良い音です。 

せっかく買った「モガミ 2534 RCAピンケーブル」なのでテレビとアンプの接続に使ってみたのですが、
やはり元気のない輪郭がハッキリしない音でした。
そこで、30年前の「日立 SAX-112 LC-OFC Interconecting Cable (1m)」に変えてみると、
バランスの良い締まりのある聞きやすい音になったのです。

このようにスピーカーケーブルを変えると、何か全体の音のバランスが変わったように感じて、
色々とケーブルを変えてみたくなります。
これがケーブル沼の始まりですね。

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