キヤノンF-1のファインダーは交換式です。
この頃の一眼レフはファインダーを交換できる機種が、ハイエンド機という位置付けでしたね。
キヤノンF-1には
・アイレベルファインダー
・スポーツファインダー
・サーボEEファインダー
・ブースターTファインダー
・ウエストレベルファインダー
などが用意されていましたが、通常の撮影はアイレベルファインダーで十分でした。
Canon F-1 アイレベルファインダー
アイレベルファインダーの取り外しは、ファインダーの後方両横のボタンを押したまま後ろに引き抜きます。
これでフォーカシング スクリーンの交換や、スクリーンに付いたゴミを取り除くことができます。
Canon F-1 フォーカシング スクリーン
フォーカシング スクリーンの取り外しは、スクリーンの後方にある小さなスリットに爪を引っ掛けて持ち上げます。
取り付ける時はスクリーンの前方をハメてから、後ろ側をカチッと手応えがあるまで押し込みます。
フォーカシング スクリーンには初期のノーマルタイプと、New F-1が発売された頃のLタイプがあり、
Lタイプの方がマット面がわずかに明るいですが、New F-1用のレーザータイプスクリーンほどではありません。
Canon F-1 ファインダー内部
ファインダー内部にはシャッター スピードが緑色で右下に、その上に追針式の露出計が表示されています。
一般的には指針をガイドの中央に合わせ、標準露出を求める定点式が多いですが、
キヤノンの追針式露出計は、細い針状の指針に丸い輪っかの追針を重ねて標準露出を求める方式です。
中央部長方形の少し暗くなった部分が露出計の測光範囲で、中央12%の部分測光になっていて、
ここに露出を測光したい被写体を入れて露出を決めます。
マニュアル露出なので、一度露出を決めると構図を決めるためにフレームを動かしても露出値は変わりません。
ピント合わせはオートフォーカスではないので、中央のマイクロプリズムやスプリットイメージの距離計、
または周辺のマット部で行います。
標準露出
指針はシャッタースピードダイヤルとISO感度と露出計に連動し、追針はレンズの絞りリングに連動しています。
なので、レンズからの光の量によって振れる指針に、絞りリングを回して追針の輪の中央に重ねれば標準露出となります。
逆に、シャッターダイヤルを回して指針を追針に重ねても同じことです。
半絞り分オーバー露出
追針の丸い輪は直径が1絞り分なので、それを目安に露出補正ができます。
この状態は半絞り分オーバー露出になります。
つまり。指針が追針よりも上にあればオーバー露出、下にあればアンダー露出ということになり、
露出補正の目安になります。
カメラに内蔵されている露出計は反射光式露出計で、人肌に近い反射率18%を基準に調整されているので、
白いものを測光して適正露出で撮影しても白にはならず、少し暗くなります。
測定に困った時は人肌ということを利用して、自分の手のひらを測光してもいいですね。
絞りをF2.8にセットした時の追針の位置
絞り値はファインダー内に表示されませんが、追針が絞りリングに連動しているので追針の位置によって、
ある程度絞り値を予測することができます。
これは絞りをF2.8にセットした時の追針の位置で、F1.4のレンズだともう少し下がります。
絞りをF22にセットした時の追針の位置
これは絞りをF22にセットした時の追針の位置です。
このように絞り値や、露出のズレの状態が良くわかるのが追針式の良さですね。
実絞り測光(絞り込み測光)
例えばキヤノンFLレンズや、マウントアダプターを使ってニコンFマウントのレンズなどを取り付けると、
絞り開放測光ができないので、絞り込み測光(実絞り測光)になります。
この時はセルフタイマーレバーを絞り込み測光の位置にすれば、追針が隠れて指針だけになるので、
定点マークを使って露出をセットします。
定点マークも上下の幅が1絞り分なので、指針が定点マークの中央にあれば標準露出です。
この状態は半絞りアンダーを示しています。
バッテリーチェック
バッテリーチェックはISO感度を100に、シャッターダイヤルを2000の位置にセットして電源スイッチをCに回します。
バッテリーの残量は定点マークの中に指針が入っていれば残量ありで、
定点マーク内まで振れない場合は残量不足です。
参考記事
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