2019年6月20日

SPレコードが見つかった

SPレコード

荷物整理で見つかったSPレコードである。
小さな頃にゼンマイ式蓄音機があって、SPレコードをかけていたことを微かに覚えているが、
その頃のものであろう、キングレコードとビクターレコードの10インチ盤2枚である。

かなり汚れていたのでクリーニングしようとしたが、LP用のクリーナーを使ってしまうと後でLPに使えなくなるので、
正しいクリーニング法ではないと思うが、ニコンのシルボン紙とレコードクリーニング液を使うことにした。
別に聴くわけでないから、これでもいい。

クリーニング液をシルボン紙に滲みさせ、レーベルも含めて盤面をゴシゴシとこすりカビやシミらしきものを取り、
紙袋も埃っぽいので、同じようにクリーニング液をつけたシルボン紙でこすると、黒くなるぐらい汚れが取れた。
その後、半日ほど陰干しをして空気に触れさせると、手で触れても埃っぽさを感じないほど綺麗になった。


キングレコード

キングレコード盤は津村 謙の「上海帰りのリル」、カップリングは、三條町子の「君よいづこ」で 、
「上海帰りのリル」は少し知っているが、もう一方の曲は全く知らない。
レコード番号がC-699となっているので調べてみると、戦後の「標準盤流行歌」ということで1951年7月の新譜のようだ。
歌詞カードは見開きになっていて、メロディー譜も書かれている。


MADE IN OCCUPIED JAPAN

レコード レーベルには「MADE IN JAPAN」と記載されているが、
SPレコードが入っている紙袋は「MADE IN OCCUPIED JAPAN」となっている。

1951年9月8日に「サンフランシスコ講和条約」に調印して、発効が1952年4月28日なので、
1951年7月はギリギリ占領下だったことになるが・・・
紙袋は共用なので、ストックされていたからだろうか。


NIPPON TELEFUNKEN

もう一つは「NIPPON TELEFUNKEN」というロゴマークである。
日本ではまだ録音技術が発達していなかったので、キングレコードではドイツのテレフンケン社と提携して、
技術や録音機器を導入したようだ。

テレフンケン社の録音機器を使ったレコードということで「NIPPON TELEFUNKEN」のロゴマークを記載したのだろう。
キングレコードのロゴマークとよく似ていて影響力が伺える。


ビクターレコード

ビクターレコード盤のほうは、久慈あさみの「アリゾナの紅ばら」と「駅馬車は西へ」、
といっても全く知らない曲である。
レコード番号はV-40649で1951年6月の発売であるが、こちらは紙袋とレコードとも何の特徴もない。


SPレコードとVITO B

これらのレコードの発売時期である1951年に近い、所有カメラは1954年発売の「フォクトレンダー VITO B」だ。
1951年といえば既にビニール盤のLPレコードが発売されていて、1950年代後半には主流になっているので、
私がレコードを聴き始めた頃にはSPレコードは消滅していた。

SPレコードを聴ける環境もなく、あまり興味がないので、今これらを手に取っても骨董品という感じしかしない。
やはりレコードは、Vinyl LPという世代である。
とりあえず、LP用の透明ビニール袋を被せて、LPレコードの横に並べておくことにする。

2 件のコメント :

ライチル さんのコメント...

キングにビクター!ハンドルをぐるぐる回して聴いていたレコードの懐かしい事!父が音楽好きでした。上海がえりのリルは
子供の頃、あの軽快な♪が好きで友達とよく一緒に歌ったものです。この欄を拝見して思い出しました。実家のレコード盤は、とっくの昔に全部廃棄しています。よく残しておられましたね。それも最近綺麗にクリーニングされたのですね。凄いです。

Blues Walk さんのコメント...

ゼンマイ仕掛けの蓄音機、懐かしいですよね。
上海帰りのリルはリズミカルな曲で流行っていて、
ラジオでもよく流れていたのを覚えています。
LPレコードのクリーニング液なのでいいのか分からないですが、
カビや汚れも取れて保存できる状態にはなりましたよ。

レコード盤も残らないですよね〜
子供の頃洋楽のLPレコードがあったのも覚えているのですが、
処分されてしまったようで残念です。