「パリが愛した写真家」と「ロバート フランクの写した時代」を観た。
ロベール ドアノーとロバート フランクと対照的とも思える二人。
映画の作り方にもよると思うが、刺激的なアメリカを感じさせるロバート フランクよりも、
優しい眼差しで撮るロベール ドアノーの「パリが愛した写真家」のほうが楽しめた。
ニューヨークを撮った写真家といえばヴィヴィアン マイヤーが浮かぶ。
彼女は没後に評価された写真家だが、同じようにニューヨークを撮り、個人的な作品を一切発表せず、
晩年に出版された写真集によって脚光を浴びたのがソール ライターである。
ドアノーに通じる被写体への向かい方は、当時のニューヨークの写真家たちと一線を画すが、
これは独学で絵を描いていたことにもよるのだろうか。
そういえばフランスには、カルチェ ブレッソンのように絵を描いていた写真家が多くいる。
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Saul Leiter |
ファッションフォトを撮っていた彼の
「雨粒に包まれた窓のほうが、私にとっては有名人の写真よりも面白い」
という言葉に納得させられる。
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Saul Leiter |
そして、時折見られる写真の大半を覆い尽くすような大胆な構図も刺激的である。
カラーで撮ったニューヨークの色の美しさ、鮮やかだが刺激的でない色、光を感じさせる色、
これが絵画で培われた色の表現なのだろう。
カラーでストリートフォトを撮るときに頭の片隅に置いておきたい。
「写真家ソール ライター急がない人生で見つけた13のこと」
公開済み
彼のドキュメント映画、「写真家ソール ライター急がない人生で見つけた13のこと」はアップルストアなどでレンタルできる。
「Saul Leiter Foundation」で彼の写真や絵を見ることができる。
http://saulleiterfoundation.org
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/17_saulleiter/point.html
4 件のコメント :
「パリが愛した写真家」を3人で見てきました。
最初ちょっと眠いなぁ・・・と思ったのですが、途中からだんだん面白くなってきて
彼の言葉を覚えておかなくっちゃ・・・と思いました。
私が知っていた写真のいくつかは演出写真だったということに、少し違和感を覚えましたが、
そういうイメージがあるからこそ出来るので、イメージの貧困な私には やはり凄い人ですね。
ソール ライターについては全く知りませんでしたが、「雨粒に包まれた窓のほうが、
私にとっては有名人の写真よりも面白い」という言葉は大いに共感できます。
色々紹介して頂いて 有り難うございます。
最初は眠かったですか(笑)
ドキュメンタリー映画は退屈な部分もありますよね。
このソール ライターのドキュメントも、本人への密着と、
インタビューなので、少し退屈かな。
演出というのは微妙ですが、映画、演劇にも演出があり、
絵画もモデルにポーズをとらせたりなので、
写真だけがリアリズムでなければ、ということはないかなと思います。
リアリズムを表現できるのが、写真の特権でしょうが・・・
雨粒に包まれた窓ですね。
ソールラータは濡れた窓越しのショットをよく撮っていますね。
それと、ポジフィルムを使った色表現は見事で、
こういう写真を見ているとカラースナップもいいなと思います。
このようには撮れないですが・・(笑)
こんばんは^^
ソールライターは私も知りませんでしたが、雨粒の窓の写真は素敵ですね!
2枚目の写真や、ソールライター展で紹介されているモノクロ写真なども好みです。
写真展は見に行かれたのですか。
生のプリントだとやはり全然違いますよね。
意外に名古屋ではこういう写真展を見る機会が無いのです。
以前にアンセルアダムスとエドワードウェストンの同時展という、
今では信じられないような贅沢な写真展を見ましたが、
たっぷり半日、会場に入り浸っていました。
ああ、また見に行きたいですね~(溜息)
こんばんは。
写真展は見てないんですよ。
大阪でも、こういう写真展は殆どありませんね。
大阪は、くいだおれとお笑いで、
アートには縁遠いです(笑)
写真も一極集中のようですね。
けど、京都では時々写真展をやっているので、
また、見に行きたいです。
アンセルアダムスとエドワードウェストンの同時展ですか。
凄いですね。
入り浸る気持ちがわかりますよ。
ソールライターのモノクロの写真もいいですよね。
カラー写真では要所に渋い赤色が見られるのですが、
色飽和するデジタルと違って、素晴らしい階調です。
こういうのは、やっぱり生プリントで見たいです。
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