2025年9月11日

使いにくいレンジファインダーカメラ

Canon L3 & Leica CL

ここにキヤノンL3とライカCLというレンジファインダーカメラがあるが、
このレンジファインダーカメラが使いにくい。

レンジファインダーカメラというのは、光学視差式距離計がカメラに組み込まれていて、
レンズのフォーカスリングを回すと、それに連動するファインダーの二重像を重ねてピントを合せるカメラである。

このレンジファインダーカメラは、広角レンズで絞りを絞って被写界深度を深くするなどをして、
ストリートフォトを撮ることに向いているといわれるが、次のような欠点がある。

  • ファインダーが別なので、レンズキャップを付けたままでシャッターを切ってしまう。
  • フレームが内蔵されていない焦点距離のレンズでは外付けファインダーが必要になり、
    距離計とファインダーが別になるので素早い撮影ができない。
  • レンズとファインダーの視差(パララックス)を完全に補正できない。
  • マクロ撮影は、パララックスが大きくなるのでほぼ不可能。
  • 距離計の精度上、最短撮影距離が長くなる。
  • 距離計の基線長という精度上の制約があるため、望遠レンズは135mmが限界である。
  • 撮影範囲がフレーム表示の場合は、望遠レンズではフレームが小さくて見にくい。
  • 撮影用レンズやファインダーの調整の狂いに気付きにくい。
  • ファインダー中央部の距離計が小さく見づらい。
  • ボケの状態をファインダーで確認できない。
  • レンズでファインダーの視野がケラれることがある。
  • 一眼レフのミラーのようなシャッター幕を遮るものがないので、
    太陽光でシャッター幕を焼くことがある。

レンジファインダーカメラが一眼レフカメラに取って代わられたのは、このように欠点が多かったためだろう。

以上のことはペンタプリズム、クイックリターンミラー、自動絞りを備えた一眼レフではほぼ解決されたのだが、
一眼レフの唯一の欠点は、開放F値の大きなレンズではファインダーが暗くなるということだろう。
そして開放F4ぐらいのレンズが距離計を使える限界であったため,開放F値の小さな明るいレンズが標準となった。


ミラーレスカメラ Fuji X-E4

レンジファインダーカメラを終焉させた一眼レフカメラも、今はミラーレスカメラに追い越されている。
やはり、レンジファインダーと一眼レフのいい部分を取り込んだミラーレスが理想的カメラかもしれない。

今ではライカだけが、ブランド力を維持するために、レンジファインダーカメラのM型を作り続けている。

0 件のコメント :