30Hzから16KHzのLR独立10バンド、スペクトラムアナラーザー、サブソニックフィルター、
ランブル リデュース回路などという仕様で、アンプのTAPE端子に接続して使うのが一般的であった。
この機種には音場特性測定用の「コンデンサー マイクMM-60」が付属していた。
リスニングポイントにマイクを設置して部屋の音場測定をすると結果がディスプレイに表示されるので、
その表示がフラットになるようにレバーを調整すれば音場補正は完了する。
あとは好みの音質に補正すればいい。
アナログなのでプリセットの設定がなく、音源に合わせて再セットしないといけないのが面倒だったのと、
音の鮮度が落ちるような気がした。
音源を補正するというより、音場補正に向いているのだろう。
音質調整は、オーディオルームならセッティングの自由度もあり、吸音材や反射板を入れることもできるだろうが、
生活空間でオーディオを楽しむには、セッティングだけではうまくいかないことが多く、
このようなグラフィックイコライザーやトーンコントロールを使うのが便利である。
周波数の特性
今では、オーディオ機器としては見られなくなったグラフィックイコライザーだが、
Musicアプリ イコライザー:ジャズ
説明書には周波数の特性が記載されていたので、調整の参考になった。
概ね120Hzから4KHzが中心で、30Hzや60Hz、8KHzや16KHzは味付け程度となり、
480Hz、1KHz、2KHzは特に重要で大きく音質が変化するようだ。
調整は、例えば480Hzを上げると、その左右の240Hzと1KHzも多少上がるので、
240Hzと1KHzを少し下げるようにするのがいいと当時のオーディオ雑誌に書かれていたように思う。
今では、オーディオ機器としては見られなくなったグラフィックイコライザーだが、
デジタル音楽ではアップルのMusicアプリなど、音楽再生アプリに装備されているので、
PCオーディオでの補正が容易になった。
Musicアプリのイコライザー設定は、アルバムの画像の上で右クリックして、
表示されたポップアップメニューの「情報を見る」をクリックすると、上のようにアルバム情報が表示されるので、
「オプション」を選択してイコライザー項目を設定すれば、アルバムの全曲に同じイコライザーが設定される。
曲ごとにセットする時は、曲名の上で右クリックして、
表示されたポップアップメニューから、「情報を見る」をクリックすると曲情報が表示されるので、
「オプション」を選択してイコライザー項目を設定すれば、その曲だけにイコライザーが設定される。
また、Musicアプリの「ウィンドウ」メニューから「イコライザ」を選べば、
イコライザーのウインドウが開いて一時的に変更することもできる。
このように曲ごとにプリセットができるので、YAMAHA GE-60のようなアナログ機器よりも格段に使いやすいのは、
デジタル再生のメリットだろう。
今、Musicアプリで主に使っているのはボーカルとジャズの設定で、以下のようなものだ。
Musicアプリ イコライザー:ボーカル
ボーカルの音源は全てこの設定にしている。
250Hzと500Hzを下げているのは、少し声がこもったように聞こえるのを改善するため。
これでこもりのないスッキリとした声で、低音から高音までのバランスが良くなった。
モダンジャズはこの設定である。
8KHz、16KHzを上げてホーンに輝きを加え、125Hz、250Hzを上げて、ウッドベースを強調、
少し膨らむので32Hz、64Hzを下げてタイトになるようにしている。
ジャズの低音はドラムよりもウッドベースが主なので、ウッドベースを基準に設定している。
これでピアノがクリアになり、ホーンが煌びやかに、ウッドベースが弾けるように再生できている。
このパーフェクト設定は2004年頃からiTunesで普及したらしいが、どのようなジャンルの曲にも対応できるらしい。
オリジナルの設定は+3、+6、+9、+7、+6、+5、+7、+9、+11、+8と、全てプラス側に振っているようだが、
ここでは0dbを中心にして全体を下げている。
オリジナルが、なぜ音量が上がるような設定なのか不思議だが、変化が大きく感じられるようにしてるのだろうか。
初めてイコライザーを使う時は、このパーフェクト設定やフラット設定から調整をして、
イコライザー カーブを作るといいだろう。
上のボーカルやジャズのイコライザー設定をしても聴けたものじゃない、という結果になるかもしれないが、
再生音楽は、リスニングルームの状況、オーディオ機器、リスニング音量、リスニングポイント、
好みの音質、リスナーの年齢などで変化するので、各自の環境に応じた調整が必要になるだろう。