Canon FL50mm F1.8 I
- レンズ構成:4群 6枚
- 絞り羽根枚数:6枚
- 最小絞り:F16
- 最短撮影距離:0.6m
- 最大撮影倍率:0.104倍
- フィルター径:48mm
- 最大径 x 長さ:61 x 40mm
- 質量:228g
- フード:S-50
- 発売年月:1964年 (昭和39年) 3月
- 発売時価格:14,800円
Canon FL50mm F1.8 I レンズ構成
カールツァイスイエナのビオタータイプのガウス型の標準レンズで完全自動絞り、TTL絞り込み測光のレンズです。
キヤノン一眼レフFXからTLまでの標準レンズで、FTからはII型になります。
FLレンズは銀色のプリセット絞りリングがフォーカスリングの前にあるのが特徴で、
レンジファインダーレンズのような構成になっています。
レンズキャップ は金属製のカブセ式なのがいいですね。
FLレンズは程度のいいものが少なく、ジャンク品として出回っているものも多いようです。
この個体も難アリ品で、外観も汚れていたのですがクリーニングして、かなり綺麗になりました。
I型(前期)とII型(後期)の外観上の違いは絞り込みリングの位置で、I型はプリセット絞りリングの下に、
II型はAーM表記付きでフォーカスリングの下に付けられています。
この前期型にはガラスに放射性物質の酸化トリウムが含まれた、アトムレンズといわれています。
- Pentax Super Takumar 50mm F1.4
- Minolta MC Rokkor-PG 58mm F1.2
- Nikkor-N.C Auto 35mm F1.4
- Yashica Auto-Yashinon-DS 50mm F1.7
- Olympus G.Zuiko Auto-S 50mm F1.4
- Konica C35 Hexanon 38mm f2.8(初期)
など、この時期は各メーカーがアトムレンズを発売していますね。
トリウムが含まれたレンズは経年で黄色く変色するので、この後は作られなくなりました。
この個体は黄色く反射しているのですが、コーティングなのかトリウムの影響なのかよくわかりません。
黄色の変色は紫外線を当てると薄らぐそうなので、よく撮影で使って日光浴させるのがいいのでしょう。
FLレンズはキヤノンFDと同じスピゴットマウント(ブリーチロックマウント)で、
下部にボディと連動する自動絞りレバーがありますが、FDレンズと違って絞りロック機能はありません。
II型は問題なくマウントアダプターに付けられますが、I型はマウント部の遮光カバーが一部盛り上がっているので、
マウントアダプターの絞りロックピンに干渉して取り付けられません。
取り付けるにはマウントアダプターのピンを外すか、レンズの遮光カバーを外すしかありません。
今回はマウントアダプターのピンを外しましたが、ねじ穴から光が入るかもしれないので、
代わりのネジで埋めることにしました。
こういうサイズのネジで思い出したのがレコードプレーヤー のカートリッジを取り付けるネジで、
ネジピッチと長さがピッタリのものがあったので取り付けます。
これで、マウントの内側にネジが飛び出さないのでレンズに干渉しません。
ねじ穴を埋めたカートリッジ取付ネジはシルバーのネジで少し頭が大きいけれど、これも飾りですね。
使ってみると、絞り込みリングがプリセット絞りリングとフォーカスリングの間にあるので回しにくかったです。
また絞り込みリングは絞りをロックしないため、絞り込んだ状態でプリセット絞りリングを閉じる方向に回しても、
絞りは閉じずにそのままなので、改めて絞り込みリングを回さなければならないことで最初は戸惑いました。
使いやすさで考えるとマウントアダプターへの取り付けは、アダプターのロックピンはそのままにして、
レンズの遮光カバーを取り外し、マウントアダプターで絞りロックする方がいいような気がします。
描写については解像感があるけれどカリカリにならず、キヤノンのレンズとしては湿度感があるように感じました。
こういう少しヌメっとした描写は好きなので、いろいろなシチュエーションで撮ってみようと思います。
FDレンズはバランスの取れた色表現と描写で、モデルや商品撮影、風景撮影などに向いているようでしたが、
「FL50mm F1.8 I」は少し個性がありそうで、特にモノクロでの描写が際立ってるようです。
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