2021年11月21日

Canon L1というカメラ

Canon L1, L2,  L3 広告

キヤノンは1956年8月発売のVT型で、IV型までのバルナックライカ型からM型ライカ風にデザインを変更したが、
まだ低速シャッターダイヤルはボディの前面に付いたままであった。

そして、このL1は1957年5月にVT Delux型と同時に発売されたが、この型名のLはレバー巻き上げの"L"なのだろう。

ちなみにV型以降の発売順は
1956年8月:VT
1957年3月:L2
1957年5月:VT Deluxe、L1
1957年11月:L3
1958年3月:VL、VL2
1958年9月:VI T、VI L
1959年3月:P
1961年9月:7
1965年4月:7S
である。

この流れからすると、レバー巻き上げ式はL型に統一するつもりだったのだろうか。
しかし1958年3月には正統進化のVLが発売されたので、L型はスピンアウトモデルになってしまった。


Canon L1

IV型までのバルナック型の軍艦型に比べ、トップカバーがフラットなので空母デッキ型と称していたようだ。
フラットでシンプルなデザインは、1957年の第1回グッドデザイン賞を受賞した初めてのカメラで、
インダストリアルデザイナーの川田龍宥氏のデザインである。
ちなみに、ニコンがグッドデザイン賞を受賞したのは、1966年でニコンFだ。

L1と同年の9月にはニコンのレンジファインダーの完成形SPが発売され、その後一眼レフのニコンFの開発に注力しているが、
キヤノンは1965年の7Sまでレンジファインダーを続けている。
このキヤノンのレンジファインダーへのこだわりが、ニコンに一眼レフで10年の遅れをとったことになる。

VT Delux型はトリガー巻き上げであるが、L1は上部レバー式に変更し、セルフタイマーを省いてコストダウンしているのだが、
それが逆にプロ機のようでいいのだ。

機能的にはVI L型だが、デザイン的にはこのL1型が好みである。

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