2019年8月25日

カメラはブラック

ブラック ボディ

フィルムカメラの時代から、ボディの色はブラックとシルバーを選べるのが普通だった。

元々、カメラはブラック塗装が一般的で、ライカでもII型まではブラックペイントが殆どだったが、
質のいいクロームメッキができるようになったIII型からクロームボディが増えている。
それまでのブラックペイントにニッケルメッキのパーツという地味で機械感の強いカメラより、
シャイニークロームのようにキラキラと輝くカメラは宝石のようで、当時の貴婦人には喜ばれたことだろう。

その後はクロームメッキのシルバーボディが主流となり、ライカM3も殆どがクロームメッキで、
ブラックペイントはレアアイテムとして中古価格も非常に高価である。

再びブラックボディが多く見られるようになったのは、ニコンFあたりからだろうか。
特に1971年に発売されたキヤノンF-1は、ブラックボディだけでシルバーは発売されていない。
この頃には普及機はシルバー、高級機はブラックという印象もあり、
キヤノンF-1の「for proffetional」というロゴとブラックボディのみということで、
プロ用はブラックという刷り込みがされてしまったようで、その後はブラックボディを選ぶことが多くなった。

ただ、ブラックといっても新品同様の綺麗なボディは魅力がなく、
使い込まれてブラック塗装が良い具合に剥げ、真鍮地が覗いているカメラは眺めているだけでも楽しい。

ブラックでもシルバーでも性能は同じであり、シルバーモデルの方がデザイン的に美しいカメラもあるのだが、
それでも、今だにカメラはブラックボディだと思っている。

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