Leica Hektor 7.3cm F1.9 |
- 型名:HEKTOR 7.3cm F1.9
- マウント:L39
- レンズ構成:3群6枚
- 絞り:F1.9、F2.2、F3.2、F4.5、F6.3、F9、F12.5、F18、F25(大陸絞り)
- 最短撮影距離:1.5m
- フィルター径:39mm
- フード:FGHOO
- サイズ:53mm x 73mm
- 重量:461g
- 発売:1931年
滲み玉と言われるライカヘクトール 7.3cm F1.9だが、少し思っていたイメージと違ったので入院させていた。
レンズもクリアになって、ガタついていた絞りリングも滑らかになり、
描写もイメージしていたものに近くなったので入院の効果はあったようだ。
このレンズはライツ最初の大口径中望遠レンズで、ライカC型用としてエルマー9cm F4と共に1931年に発売されたが、
描写の個体差の多いレンズである。
Leica III + Leica Hektor 7.3cm F1.9 |
いろいろなバリエーションがあるが、これは一般的な焦点距離リング全体がクロームメッキで他がブラック塗装だ。
この個体は距離計リングを回した時に鏡胴が回転しない直進ヘリコイド式であるが、
これはアグファの擬似カラーシステムに対応するためのようである。
全体的にふわぁとフレアが掛かっているが、戦前の大口径レンズらしいフレアや収差が大きく、
柔らかな湿度感のある描写である。
柔らかな湿度感のある描写である。
絞りを絞ると柔らかいながらもコントラストや解像感は増すが、今のレンズのようにキツすぎないのも、
この時代のレンズならではだろう。
この時代のレンズならではだろう。
Fuji X-E1 + Leica Hektor 7.3cm F1.9 蛙の卵ボケ |
ヘクトール7.3cm F1.9のもう一つの特徴は「蛙の卵暈け」である。
上の写真にも右側の枝の暈けに蛙の卵が連なっているのが見られるが、なかなか面白い。
ヘクトール7.3cm F1.9はソフトフォーカスレンズとは違うので大きく滲まないが、
今のレンズとは違う、フワッとした柔らかな描写が魅力的だ。
ただ、被写体を選ぶレンズのようで、使うのも難しく評価しにくいレンズである。
今のレンズとは違う、フワッとした柔らかな描写が魅力的だ。
ただ、被写体を選ぶレンズのようで、使うのも難しく評価しにくいレンズである。