Leica III |
型式:35mm レンジファインダーカメラ
形状:板金製、ブラック・ニッケル
画面サイズ:24×36mm
マウント:標準ねじ式マウント(L39)
シャッター:2軸横走り布幕フォーカルプレーン
高速シャッター:1/500、1/200、1/100、1/60、1/40、1/30、1/20秒、Z
低速シャッター:1/20、1/8、1/4、1/2、1秒、T
シンクロ接点:なし
ビューファインダー:50mm透過ファインダー、倍率 0.5倍
距離計ファインダー:二重像合致式連動距離計、倍率 1.5倍、視度補正付き
フィルム装填:底蓋取り外し、落とし込み式
フィルム巻き上げ:回転ノブ式
フィルム巻き戻し:回転ノブ式
フィルムカウンター:順算式、0~39目盛り、手動リセット
大きさ:約132.2×67×38mm
重さ:約410.3g
製造年:1933年
シリアルナンバーからすると、このIII型は1933年製である。
1933年迄はブラックペイントのボディだけで、この年以降クロムメッキのボディが作られた。
銀色に輝くボディは当時人気があったそうだ。
このIII型ではスローシャッターも付けられて、今のカメラの原型が整ったと言える。
この後、IIIa、IIIb、IIIcと継続していくが、完全な板金製はIIIa迄であり以降は合金ダイキャスト製に変わっていく。
ブラックペイントとニッケルメッキ |
やっぱりレンジファインダー機を1台となると、このバルナックライカのIII型ブラックペイントか。
このズシリとした重みと金属の感触、ピタッと手になじむ大きさとフォルム、
メカニカルな操作性、精密感のあるシャッター音などが魅力的だ。
板金製の軍幹部のブラックペイントとノブ類のニッケルメッキの組み合わせが美しいカメラであるが、
後期になるとニッケルメッキのノブ類がクロムメッキに変わる。
ボディサイズは、小型カメラとして程よい大きさであり、沈胴レンズをつければバッグに入れてもかさばらない。
けれどこの重さでは、よく言われる上着のポケットに、とはいかないが・・
エナメルペイントの光沢 |
この当時のエナメルのブラックペイントは美しい。
光沢のあるエナメルペイントが鏡のようであり、塗装の剥げた部分の真鍮が見えるのもヤレ感があっていい。
今では、このようなブラックペイントは実現しないだろう。
象嵌文字 |
軍艦部や底蓋に刻印されている文字は、全て銀色の象嵌である。
このエナメルペイントに象嵌を埋め込むという手間のかかる手法は、
まさに工芸品で高価なカメラだったことが頷ける。
けれど、バルナックライカは決して使いやすいカメラではない。
フィルムを巻き上げないとシャッタースピードをセットできないし、
倍率 0.5倍のファインダーは小さくて見づらい。
露出計も付いていないし、底蓋を外してのフィルムのセットもやり難い。
初めてフィルムカメラを使う人には、お勧めできないカメラである。
このような80年程も前のバルナックライカともなると、どこまでオリジナルで残っているか怪しい。
シャッター幕は取り替えられているだろう。
ブラックペイントも再塗装かもしれないし、グッタペルカも張り替えられているかもしれない。
内部の部品などは、どうなっているかわからない。
けれど、コレクターではないのでオリジナル性などは気にしない。
きちっと動いてくれればいい。
Leica III Summar 5cm F2 FUJICOLOR 100 フジカラーCDデジタル |
ヒンジの上の
煉瓦にピントを
距離計も問題ない
Leica III Summar 5cm F2 FUJICOLOR 100 フジカラーCDデジタル |
映り込みに
ピントを合わせ
窓枠は前ボケに
Leica III Summar 5cm F2 FUJICOLOR 100 フジカラーCDデジタル 光漏れもなく シャープな描写 |
2 件のコメント :
ズマールの描写の、なんと鮮やかなことよ
きっちりとした描写をしてくれますね
1枚目のレンガ、光の当たり具合とか
一寸我が中古レンズのTouitの描写に
似てる気がします
昔の機械は
手を抜かない、善いお仕事されていたのでしょうね
ズマールを本来の画角で使うことができましたよ。
IIIcでは光漏れで思うようにならなかったので・・・
このレンズは、いい描写をしてくれますね。
晴天だったので開放絞りでは撮れなかったのですが、
F8で使うと、すごくしっかりと描写してくれます。
80年程前のカメラにレンズとは思えない写りですよ。
戦前のバルナックライカですが、今でも使えるのは、
造りの良さと精巧でシンプルな構造だからでしょうか。
モノクロフィルムのアクロスでも撮ったので、次にアップしますね。
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