このジャズをテーマにした映画「ニューオリンズ」は、1947年の作品で、
名家の令嬢でオペラ歌手のミラリーがジャズに惹かれていくというストーリーで、
ニューオリンズから始まったジャズの歴史を簡単だが知ることができる。
オープニングの1917年のベイズンストリートのキャバレーでのルイ アームストロングの演奏から始まり、
主人公のミラリーとニックが恋に落ちて行く様子にジャズの変遷を絡めて描いていく。
当時はもちろんジャズとは呼ばれていなかったが、この映画ではJazzがJazzと呼ばれるようになった逸話も紹介されている。
Do You Know What It Means to Miss New Orleans
この映画はビリー ホリデイ唯一の出演映画で、メイド役の35歳のビリー ホリデイが歌う、
「Do You Know What It Means to Miss New Orleans」を聴けるというのも嬉しい。
ルイ アームストロングの” オリジナル・ニューオーリンズ・ラグタイム・バンド”のメンバーの
キッド オリー、ズティ シングルトン、バーニー ビガード、バド スコット、ジョージ “レッド” カレンダー、チャーリー ビール、
ミード ルクス ルイスの演奏も楽しめる。
南軍の軍楽隊が残していった楽器を使って葬儀のときや酒場で演奏を始めたと言われている。
その後ストーリーヴィルの閉鎖や産業の変化で人の移動が始まり、南部からシカゴへ、そして東部ニューヨークへと、
つまり、ディキシーランドジャズ、ビッグバンド、スイングジャズという1910年代から1930年代までのジャズの流れを描いている。
当時の文化や風俗、白人社会と黒人社会の身分関係、黒人がジャズを作って白人が儲けたと言われる背景などもよく分かり、
特にジャズに興味を持ち始めた方には、モダンジャズが流行するまでのジャズという音楽の背景を感じられる楽しい映画である。
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