2019年1月9日

CLレンズの傾斜カム

M-Rokkor 90mm F4、化粧箱、使用説明書

ライツミノルタCL用のMロッコール90mm F4であるが、渋い色の化粧箱と使用説明書が付いている。


使用説明書の注意書き

この使用説明書に、M型ライカで使用する時の注意が書かれている。
CL用レンズはレンズ後方のカメラの距離計と接触する部分が傾斜しているので、
距離計の無限遠が合致しないこともあり奨められないということだ。


平行カムと傾斜カム

文章では分かりにくいが、レンズの後部を比べてみるとよく分かる。
左がM型ライカ用のズミクロン 50mm F2で、マウントの内側の真鍮色の部分がマウントと平行になっているのがわかる。
右はMロッコール 90mm F4で、マウントの内側の真鍮色の部分が向こう側のマウント部では低くなっている。
これがMレンズとCLレンズの距離計連動カムの違いで、このためにM型ライカで使う時は距離計が不正確になることがある。


CLの距離計ローラー

このように誤差が出て不正確になるのは、ライカM型は距離計ローラーのアームの長さを調節できるようになっているので、
長さが一定ではなく調整後ローラの位置が少し左右に偏っていることがあるからだ。
M型用レンズのように平面カムであれば、ローラーを正面から押すので問題ないが、
ローラーを斜めから押すような傾斜カムのCLレンズを付けると誤差が出てしまう。

ただし、CLレンズを付けても無限遠で距離計が合致すれば、ローラーの位置はCLと同じなので問題ないということになる。


Leica CL & M-Rokkor 90mm F4

Mロッコール 90mm F4の使用説明書の注意書きだが、Mロッコール QF 40mm F2、ズミクロンC 40mm F2、
Mロッコール 90mm F4、エルマーC 90mm F4も同じように制限される。

なお、CLE用レンズはライカMレンズと同じ平行カムなので問題なく、
逆にライカM用レンズをCLで使っても支障ない。

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