2017年6月3日

BORN TO BE BLUE * チェット ベイカー

公開済み

チェット ベイカーの映画『ブルーに生まれついて』を観た。
これはドキュメンタリーではなく、イーサン ホークがチェット ベイカーを、
売れない女優のジェーンをカルメン イジョゴが演じている。
伝記映画というよりも、フィクションの部分もあるので厳密には伝記風だろうか。

チェット ベイカーはアート ペッパー等と共にウエストコースト ジャズで活躍していた。
ニューヨークを中心とする東海岸は黒人のジャズマンが多かったのに対して、
ロサンゼルスを中心とする西海岸ではユダヤ系や白人のジャズマンが多かった。

レコード会社はコンテンポラリー レコードやパシフィック ジャズ レコードがあるが、
この映画に出てくるリチャード(ディック)ボックはパシフィック ジャズ レコードのオーナーだったが、
1957年にリバティ レコードに買収されている。


『ブルーに生まれついて』予告編

この映画は麻薬の売人から暴行を受け、顎を砕かれ前歯を全部失ったチェット ベイカーが、
再起を果たしニューヨークのバードランドへ再び出演するまでの、
1970年前後から1973年前後の出来事を描いている。
チェット ベイカーは、本当はかなりのワルだったようだが、ここではダメ男に描かれていて、
このような破滅的、退廃的なジャズミュージシャンを支える、理想的な女性としてのジェーンが魅力的である。
そして、ラストでは、あ〜やってしまったという絶望感が・・・

この映画は絵になるシーンも多く、一瞬一瞬をスチール写真と捉えても面白く、
また、ジャズを知らなくても音楽と映像と、せつないラブストーリーを楽しめるだろう。
そして、フラッシュバックで現れるモノクロのシーンは、
50年代、60年代ジャズの雰囲気を醸し出していて、ジャズ好きには堪らない一瞬である。


My Funny Valentine: Chet Baker

「マイ ファニー ヴァレンタイン」はチェット ベイカーの代表曲の1つで、多数収録しているが、
イーサン ホークは、この録音をコピーしたのだろうか。
このようなチェット ベイカー歌い方にジョアン ジルベルトが影響され、
ボサノヴァが誕生したとも言われている。


My Funny Valentine: Ethan Hawke

イーサン ホークが歌っている「マイ ファニー バレンタイン」
さすがに役者だけあって、雰囲気を見事に捉えている。


Helima and Chet Baker, Redondo Beach, 1955

チェット ベイカーの中性的な歌声はあまり好きになれないので、
ボーカルを含まないレコードを少し持っているだけだが、
何故か興味を惹かれるのは、ウィリアム クラクストンの写真の影響だろうか。

ウィリアム クラクストンの後ろに飾られている写真が、1955年に撮影された「Helima and Chet Baker」だ。
トランペットを持ったチェット ベイカーと2番目の妻、Helimaとのショットである。
この映画に登場するジェーンは架空の女性なのだが、この写真のHelimaをイメージしていることはよく分かる。

生涯ジャンキーだったチェット ベイカーは、1988年5月13日にオランダのアムステルダムのホテルの窓から転落死する。
事故死とか自殺とか他殺とか言われているが、真相は定かでない。

2 件のコメント :

  1. ラストの雑誌の写真が素敵ですね〜
    その上に、さらりと乗せられた
    愛機EーP5は、もっと素敵!

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    1. ラストは「エスクァイア」という雑誌の、
      ジャズ特集の写真なんですが、
      いい写真でしょ。
      E-P5も、いいですか(笑)
      MZD17mmと35mmの光学ビューファインダーで、
      さまになりましたよ。

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