スナップ写真といえば広角レンズで一歩踏み込んで撮る、ということがセオリーなのだろう。
フィルムで撮っていた時は、よく28mmレンズでスナップをしていた。
けれど、デジタルで写真を撮り始めたころから望遠レンズでのスナップが楽しくなった。
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望遠スナップといえばソール ライターを思い浮かべる。
彼の構図は狭い、そして主題となる被写体は遠い。
望遠レンズを縦位置で撮っているので狭く感じるのだろう。
広角レンズは横位置で広がり感が出るが、望遠レンズは縦位置で長焦点らしい狭い画角を感じることができる。
人の視界は横長なので、縦長の写真を見ると凝視した時のような視界の狭まりを強く感じるのだろう。
なので、ソール ライターの写真に縦長の構図が多いのもうなずける。
さらに手前に物を入れ、その奥に被写体を置いて狭い空間を強調している。
こうすることで、構図にも奥行きが出る。
望遠レンズだと、被写体の重なりと圧縮効果も生まれ、絵画のような色の重なりも作り出せる。
そして、影が少ないのも特徴的で、さらに海外の写真家では珍しい暈けも多く見られる。
この一貫した表現は、何かの意図を持って人間社会を撮るということではなく、
ひたすら瞬間の美しさ撮るというスタイルで、人はそのための一要素としか見ていないのだろう。
これらのカラー作品には、ソール ライターの画家としての視点が溢れているようだ。
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モノクロームとカラーで明らかに表現が違う。
カラーでは縦位置が多いが、モノクロームでは横位置の写真も多く、
そして被写体に寄って撮っているのだ。
明らかに絵画ではなく、写真として意識しているのだろう。
カラーでは影があまり見られなかったが、モノクロームでは影が写っている写真もある。
これは色での表現でなく、光で表現するモノクロームのを意識しているのかもしれない。
ヴィヴィアン マイヤーは真四角フォーマットのモノクロ表現が魅力的だが、
ソール ライターは縦長のカラー表現に惹かれる。
Saul Leiter Foundation
http://saulleiterfoundation.org
2 件のコメント :
画家でもあったソウルライターの縦は画家の、横は写真家の眼、とのBIuesさんの解説に頷きました。
こんにちは。
アジェやブレッソンのように、絵を描いていた写真家は多いですが、
構図や光の捉え方は勉強になりますね。
ソールライターは色の捉え方でしょうか。
昔はカラーフィルムの色が好きになれなくて、
モノクロフィルムばかりで撮っていましたが、
こういう色表現ならばと、カラースナップにも興味が湧きましたよ。
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